立・国、亀裂深まる 参院香川で「代理戦争」

東京, 3月29日, /AJMEDIA/

 立憲民主、国民民主両党は28日、参院香川選挙区(改選数1)にそれぞれ新人候補を擁立すると発表した。香川は国民の玉木雄一郎代表(衆院香川2区)と立民の小川淳也政調会長(同1区)のお膝元で、2候補の激突は玉木、小川両氏の「代理戦争」の様相を呈する。両党とも引かない構えで、亀裂は一段と深まりつつある。
 「国民が与党の補完勢力になっている。私どもが選択肢を用意せざるを得ない」。小川氏は28日朝、高松市内の県庁で候補者と共に記者会見し、国民との直接対決に踏み切る理由をこう訴えた。
 立民、国民両党が1人区で競合するのは宮崎に続いて2例目。香川では両党の県連レベルで共闘を模索した時期もあったが国民の2022年度予算賛成を受け、立民県連側は態度を明確にする必要があると判断したとみられる。
 立民幹部は「国民には譲れない。玉木氏のお膝元で代理戦争になる」と対決姿勢を示す。別の幹部も「こっちは政調会長、向こうは代表で引くに引けない」と語る。
 国民も負けていない。小川氏から1時間半後、同じ場所で候補擁立の会見に臨んだ玉木氏は「オールド野党ではない新しい野党の在り方を世に問う選挙にしていきたい」と、立民を暗に批判しながら勝利を目指す考えを示した。国民にとって代表の地元で「候補を出さない選択肢はない」(関係者)。幹部の一人は、「うちは候補を用意していたのに、新たに立てて野党を分断しているのは立民だ」と憤る。
 立民が党本部レベルで候補者調整を呼び掛ける中、県連主導とはいえ協議相手の党首のお膝元に対抗馬を立てたことで、全体の調整に影響が出る可能性もある。香川には日本維新の会と共産党も新人を立てる予定で、野党陣営は乱立模様だ。
 選挙戦を有利に運べるとみて自民党側はほくそ笑む。関係者は「立民と国民は党内がコントロールできていない。共闘などできるわけがない」と冷ややかに語った。

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