秋葉復興相を更迭 改造後4人目、政権に打撃―渡辺氏再登板、杉田政務官も交代

東京, 12月28日, /AJMEDIA/

 岸田文雄首相は27日、「政治とカネ」を巡る疑惑を国会で追及されてきた秋葉賢也復興相を事実上更迭し、後任に自民党の渡辺博道・元復興相(72)を任命した。8月に発足した改造内閣の閣僚更迭は10月以降4人目という異例の事態となった。首相は任命責任を厳しく問われており、求心力が低下する政権にさらなる打撃となった。
 首相は27日午後、首相官邸で秋葉氏から辞表を受理した。この後、記者団に「任命責任を重く受け止めている。山積する課題に取り組み、職責を果たしていきたい」と表明。内閣改造については「今現在考えていない」と重ねて否定した。
 首相は併せて、性的少数者(LGBTなど)やアイヌ民族に対する過去の差別的言動が批判されていた杉田水脈総務政務官も交代させた。後任には自民党の長谷川淳二衆院議員(54)が就いた。
 公務中に倒れて搬送され、健康状態が気遣われていた谷公一国家公安委員長については、本人からの聴取などを踏まえ、続投させることにした。
 首相が秋葉、杉田両氏を更迭したのは、野党からの攻撃材料を抱えたまま、1月召集の通常国会を乗り切るのは困難と判断したためだ。ただ、首相は先の臨時国会で秋葉氏に対する辞任要求を拒否し続け、杉田氏に関しても8月の就任当初から資質が問われており、後手に回ったと批判の声が上がっている。
 渡辺氏は衆院千葉6区選出の当選8回で茂木派所属。安倍政権時代の2018年10月から1年間、復興相を務めた。起用の理由について、首相は「復興行政に精通した即戦力」と説明した。
 秋葉氏は今年8月に初入閣。先の臨時国会では家賃支払いなどの形で親族に政治資金を還流させた疑惑や、公設秘書が前回衆院選で選挙運動の報酬を受け取っていた疑いが追及された。就任時に「一切ない」と断言していた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への会費支出も判明した。
 辞表提出後、秋葉氏はこうした疑惑について「違法性は何一つなかった。来年の当初予算案や法案の審議を停滞させてはならないことを第一に考え、辞表を提出した」と記者団に語った。

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