生体肺肝同時移植手術“世界初の成功”京都大学医学部附属病院

東京, 03月05日 /AJMEDIA/

重い先天性の病気の男の子に、両親と祖父からそれぞれ提供された肺と肝臓の一部を同時に移植する世界で初めての「生体肺肝同時移植」手術に成功したと京都大学医学部附属病院が発表しました。

これは、京都大学医学部附属病院の伊達洋至教授らが会見を開いて発表しました。

それによりますと、2023年11月に、関東地方に住む「先天性角化不全症」という病気の10歳未満の男の子に
▽40代の父親と母親から、それぞれ提供された左右の肺の一部と
▽60代の祖父から提供された肝臓の一部を、
同時に移植する世界で初めての手術を行ったということです。

手術は、4つの手術室を使って18時間以上かけて行われ、無事に成功したということで、男の子は3月に自力で歩けるまで回復して退院したということです。

また、臓器を提供した両親と祖父も、すでに退院したということです。

病院によりますと、肺と肝臓を同時に移植する手術は、脳死からの臓器提供では海外で少なくとも20例行われていますが、国内では例がなく、健康な人からの生体肺肝同時移植が行われるのは、世界で初めてだということです。

会見で伊達教授は「特殊な例ではあるが、複数の臓器がいたんでいる患者にも移植ができる可能性を示したのは意義がある」と話していました。

また、男の子の両親は「移植を諦めるしかなく何もできないもどかしさや絶望感を抱えている患者さんや親族の方の一筋の光になればうれしい」とコメントしています。

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