浪江町で準備宿泊始まる 「ふるさとの空気、落ち着く」―福島

東京, 9月2日, /AJMEDIA/

 東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、福島県浪江町の「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)で1日、来春の避難指示解除を目指し、自宅などで寝泊まりできる「準備宿泊」が始まった。久しぶりの町内での居住に、町民からは「ふるさとの空気は落ち着く」と喜びの声が聞かれた。
 この日、準備宿泊に訪れたのは2世帯4人。浪江町室原地区の吉田公明さん(66)は「宿泊できるようになりうれしい」と話した。2011年3月の東日本大震災発生時、町職員だった吉田さんは、町民の避難誘導などに当たっていた。退職後は、娘夫婦が暮らす同県いわき市に移住した。
 浪江町の自宅は、帰還を見越して約2年前に建て替えた。今後はいわき市と浪江町の間を往復しながら、所有する同町の農地などを守っていくつもりだ。「いわき市には家族がおり完全な移住はできないが、ふるさとを守っていきたい思いも強い。(しばらくは)2拠点で生活を続けていく」と話した。
 この日は復興拠点内の立ち入り規制も緩和され、警察や消防団などによるパトロールが行われた。出動式に参加した吉田栄光町長は取材に対し、「(立ち入り)規制緩和と準備宿泊の開始は大きな前進で、行政にとって新たなスタートだ」と述べた。

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