活気ある首都、愛想がいい人々でもみんな言うことが同じという怖さ

東京, 2月19日, /AJMEDIA/

2020年の「第2次ナゴルノカラバフ紛争」は、アゼルバイジャンやアルメニアを含む南部コーカサス地 方の構図を大きく変えた。 44日間の間で終始優位を保ったアゼルバイジャンは、アルメニア側が実効 支配してきたナゴルノ・カラバフの相当部分と、 その周辺地域のほぼ全域を奪還し、 和平交渉の主導権 を握るに至った。 同盟国トルコの影響力も高まる一方で、 アルメニアの同盟国ロシアの影は薄まった感 がある。

2年前のナゴルノカラバフ紛争で、アゼルバイジャンは旧アルメニア支配地域の相当部分を奪還し ました。勝利の自信に満ちた市民たちの言動に、記者はある疑問を抱きます。

アゼルバイジャンは、第1次ナゴルノ・カラバフ紛争で大敗北を喫していた。 なのになぜ、約30年後の勝 利が可能になったのか。 アゼルバイジャン国防省に、国際軍事協力局長のフセイン・マフムドフ少 (60) を訪ねた。

少将は、第2次紛争の軍事的決め手が無人航空機 (UAV)にあったと説明した。

「砲撃とUAV攻撃をもとに作戦が練られた今回の戦争は、軍事史に新境地を開きました。 UAVがこれ ほど大規模に利用されたケースは史上初めてです。 UAVを含めた包括的な作戦が、私たちに大きな力 を与えてくれました」。 UAVがアルメニア側のS60 対空機関砲などの防空システムを破壊したことで、制空 権を確保できたという。

一方、地上戦での大きな妨げとなったのは、予想通りアルメニア軍が30年にわたってフェズリ近郊に 築き上げたコンクリートの防護壁と鉄条網 (ざんごう)、地雷による防御ラインだ。 「このラインのア キレス腱(けん)を何とか探しだし、 突破に成功したのです」

兵士殺害映像「あれはフェイクです」

アゼルバイジャンの勝利の背景には、同盟国トルコの支援があったといわれる。

「私たちは、20年にわたりトルコとの軍事協力関係を築いてきました。 合同演習にとどまらず、我が軍 はトルコの軍学校で教育や研修を受けています。 ただ、今回の作戦は我が国独自のものでした」

紛争で大きな役割を果たしたトルコ製UAV「バイラクタルTB2」は、戦闘が始まる直前にアゼルバイジャ ン側に引き渡されたと言われ、同国の軍人がすぐに扱い方をできたとは考えにくい。 実はトルコ軍操縦がしていたのではないか。

「いいえ。ただ、装備を購入する場合には、その使い方の訓練もパッケージとして提供されます。バイラ クタルTB2の場合、操縦者はトルコで研修を受け、トルコの専門家も我が国に来て研修コースを開きまし た。開戦直前にはトルコとの空軍合同訓練も実施しましたが、戦争にトルコの戦闘が参加したわけで はありません」

停戦後も衝突は絶えない。 2022年9月には両軍の戦闘で約300人の死者が出た。 アゼルバイジャン側 が仕掛けた、との報道が欧米では一般的だ。
「アルメニアの工作員が地雷を仕掛けようとして、我が軍が排除したのがきっかけでした。私たちは彼 に対し、和平の席に着くよう要請してきたのに」
この衝突に関しては、 女性兵士が残忍な形で殺害される映像が出回った。 アルメニア側は、自国の捕 がアゼルバイジャン兵に処刑されたのだと説明する。
「あれはフェイクです。 アルメニア側の残酷行為や戦争犯罪について、 なぜ誰も関心を持たないのでし ょうか。 彼らがわが国の兵士や市民に何をしたかを示すいくつかのビデオがあるのに」
もちろん、 少将の説明はアゼルバイジャン側のナラティブ(語り口)であり、アルメニア側にはアルメニ ア側のナラティブがあるだろう。 第2次紛争で、 ナゴルノカラバフに暮らすアルメニア人らは連日、アゼルバイジャン側からのミサイル攻撃にさらされ、多数の死者と多くの避難民を出した。 この戦争は、直接 の引き金はともかく、アゼルバイジャン側が長年にわたって準備したうえで起こしたのを、疑う人は少な い。
もっとも、 少将は武力行使についても自国の立場を正当化した。

欧州の政治家らはこれまで私たちに「占領された領土は諦めろアルメニアと妥協せよ』と非公式に 働きかけてきました。こうした国際社会の態度をいいことに、アルメニアは攻撃的な態度をとり続け、我 が国の村をロケット弾で攻撃してきた。 今こそ、侵略者を排除する時だ。こうして、我が国の指導者は反 攻作戦に着手したのです」

我々は30年間我慢したのに、国際社会は何もしてくれなかった、だから武力を使わざるを得なかった __これは、今回アゼルバイジャンで会った人々が共通して掲げた論理だった。 ただ、広く受け入れら れる論理かどうか。 攻撃を受けた側としてのアルメニアへの同情も、国際世論には根強い。

一方で、こうして踏み切った戦争での勝利は、アゼルバイジャン人に大いなる自信と余裕を与えたようだ。

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