沢村、バッキーらに続いた戸郷 「伝統の一戦」ノーヒットノーラン―プロ野球・巨人

東京, 5月25日 /AJMEDIA/

 プロ野球巨人の戸郷翔征投手が24日、敵地の甲子園球場で行われた阪神10回戦で無安打無得点試合を達成した。巨人の投手が甲子園でノーヒットノーランを演じたのは、日本球界初の同記録を刻んだ1936年9月25日の沢村栄治以来で、88年ぶり2人目。球史と共に紡がれる「伝統の一戦」での快投を振り返る。

 両球団の対戦でノーヒッターが生まれたのは、戸郷の前に4度だけで互いに2度ずつ。巨人は初代エース、沢村がいずれも記録した。職業野球元年の36年秋季。長距離砲の景浦将らを擁した大阪タイガースから、剛速球で史上初の大記録を達成した。翌年には木造で知られる東京・洲崎球場で、2度目を成し遂げた。

 阪神も黙っていない。球団初の快挙を巨人戦でマークしたのは三輪八郎。40年8月3日。中国・大連(旧満州)で行われた一戦で、「打撃の神様」川上哲治らが主軸だった巨人を無安打に封じた。戦時色の濃い時代。沢村、景浦、三輪という当時の日本を沸かせた投打のスターが後に戦死したのは、悲劇というほかない。

 その後は長く達成者が現れなかったが、65年に阪神のバッキーが甲子園の「伝統の一戦」で無安打無得点を成し遂げた。王貞治、長嶋茂雄の「ON」も封じ、奇声と共に仲間に抱き付いてみせた「バッキースマイル」は語り草となった。

 それから半世紀以上を経て、巨人の若きエース、戸郷が敵地で達成。阪神ファンから浴びる悲鳴とも、ざわめきともつかない大音量の声を、気持ち良さそうに浴びた。

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