民主主義国の結束確認 中国念頭、会合定例化へ―重要技術で声明・日米豪印首脳

東京, 9月25日, /AJMEDIA/

【ワシントン時事】日本、米国、オーストラリア、インド4カ国(通称クアッド)首脳は24日、米ホワイトハウスで初の対面による会談を行った。各国首脳は半導体など重要・新興技術の開発や利用に関する声明を採択。会議を毎年定例化することも合意し、インド太平洋地域で影響力を増す中国に対抗するため、法の支配や自由で開かれた国際秩序を重視する主要国の団結を示した。

 共同声明は、東・南シナ海を含む海洋秩序の挑戦に対処すると宣言。重要・新興技術の設計や開発、使用に関する原則をまとめた。債務持続性と透明性を重視する新たなインフラ協力を始めることを決め、サイバー、宇宙空間における協力枠組みも新設した。
 菅義偉首相は2時間20分にわたる会合で、中国が軍備強化を進める東・南シナ海情勢や香港、新疆ウイグル自治区の人権状況を取り上げ「深刻な懸念」を表明。「台湾海峡の平和と安定の重要性」を訴えた。

 菅氏は終了後、宿泊先のホテルで記者団の取材に応じ「新型コロナウイルス、気候変動、新しい技術、地域情勢など、インド太平洋地域が直面する重要課題について率直な意見交換をした」と述べた。

 バイデン米大統領は席上、クアッドについて「価値観を共有し、気候変動や新型コロナ、新興技術などの重要課題に取り組む民主主義国のグループだ」と言及。菅氏は会議開催に関し「4カ国の強い結束と自由で開かれたインド太平洋へのコミットメントを示すものだ」と述べた。

 バイデン氏は、インドが生産するコロナワクチン10億回分を途上国などに配分するクアッド主導の計画が「順調に進んでいる」と強調。また、STEM(科学、技術、工学、数学)と呼ばれる技術系教育分野で、修士・博士課程の学生を4カ国から米国の大学院に受け入れる奨学生プログラムを創設すると発表した。

 4首脳は3月、オンライン形式の首脳会議を開催。(1)コロナワクチン(2)重要新興技術(3)気候変動の3分野で作業部会を設けたほか、サイバーセキュリティーや海洋安全保障の分野で連携することで一致した。対面での首脳会議を年内に開くことも確認していた。

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