李、尹氏の大接戦で最終盤 ウクライナで失言も―韓国大統領選まで1週間

東京, 3月2日, /AJMEDIA/

3月9日投開票の韓国大統領選まで1週間となり、革新系与党「共に民主党」の李在明前京畿道知事と保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦前検事総長が大接戦のまま最終盤に入った。2月28日発表の「リアルメーター」の調査で、李氏の支持率は39.5%で尹氏が42.0%。失言などわずかな要素が浮動層の動向を左右しかねない。
 李氏は1日、ソウルで遊説し、新型コロナウイルス対策について「10日に当選した瞬間、柔軟、スマートな防疫に転換する」と強調した。韓国は日本より自営業者の割合が多く、選挙への影響力も大きい。李氏は負債の減免や返済できなかった人の信用回復など、いわば「徳政令」も強調。文在寅政権のコロナ対策で疲弊した自営業者の歓心を買おうと必死だ。
 しかし、ここに来て失言も目立つ。ウクライナ情勢をめぐり、2月24日に「地球の反対側のわれわれと何の関係もない国」と言及。25日には「初心者政治家がロシアを刺激したせいで衝突した」と発言して釈明に追われた。ただ、尹氏も朝鮮半島有事での自衛隊の半島進出を容認したと受け取られかねない発言をしており、李氏は「妄言だ」と反撃している。
 一方、2月28日に投票用紙の印刷が始まった。「反文在寅」票の取りまとめが注目された尹氏と保守中道野党「国民の党」の安哲秀代表の一本化は悲観的な見方が強まっている。
 自力で上積みを図るべく、尹氏は1日、ソウルで「腐敗し、能力もなく傲慢(ごうまん)、非道な政権だ」と文政権を批判。同時にウクライナをめぐる李氏の発言を挙げ「このような外交・安保の認識でどうやって国民を守るのか」と訴えた。
 尹氏の陣営関係者は「保守だけでなく中道層も文政権の外交に批判的だ」と指摘。李氏が文政権と差別化できていない外交安保分野に焦点を当て浮動層を取り込みたいと訴えている。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts