岸田首相、秋葉氏続投崩さず 「辞任ドミノ」狙い野党追及―衆院予算委員会

東京, 11月29日, /AJMEDIA/

 岸田文雄首相は28日の衆院予算委員会で、「政治とカネ」など複数の疑惑を抱える秋葉賢也復興相について、野党が求める更迭を拒否する姿勢を崩さなかった。閣僚の「辞任ドミノ」を3人で食い止め、政権へのさらなる打撃を回避したいとの思いがにじむ。一方、立憲民主党は週内は続く見通しの衆参予算委審議で攻勢を強める構えだ。
 「信頼が大事だ。だからこそ、疑念に対して説明責任を果たすべく努力を続けてもらわなければならない」。首相は立民の再三の更迭要求にこう語り、秋葉氏を続投させる考えを強調した。
 秋葉氏を巡っては、自民党内でも「早く更迭した方がいい」(閣僚経験者)との声が浮上。先週末がヤマ場との見方もささやかれたが、首相は動かなかった。首相官邸関係者は「予算委はもう終わりが見えている」と指摘。首相はこのまま秋葉氏を続投させても予算審議を乗り切れるとみていると解説した。
 もっとも、肝心の秋葉氏はこの日も釈明続きだった。
 立民の源馬謙太郎氏は、秋葉氏が復興相の重要日程だった27日の福島県訪問を中止したことを厳しく批判。秋葉氏は「国会で(疑惑について)丁寧に説明する必要があると考えた」と語り、国会対応の準備に追われた結果だったと明らかにした。
 源馬氏は、自民党宮城2区支部(代表・秋葉氏)の政治資金収支報告書に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)関連団体への2万4000円の会費支出が記載されていたことを「寄付ではないか」とも追及。秋葉氏は「雑誌購読費として支払った」として収支報告書を修正すると説明した。
 秋葉氏の秘書が昨年の衆院選で選挙運動の報酬を受け取った公職選挙法違反疑惑を巡り、立民の藤岡隆雄氏が当時の予定表の提示を求めると、秋葉氏は「記録は処分してしまい、今となっては分からない」と言葉を濁した。藤岡氏は「記録も記憶もないでは(辞任した)山際大志郎前経済再生担当相と同じだ」と切り捨てた。
 立民内では秋葉氏の新たな疑惑も取り沙汰される。国会での追及はなお続く見通しで、立民の中堅議員は「秋葉氏にはサンドバッグになってもらう」と語った。

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