岸田政権「政治とカネ」戦々恐々 秋葉氏説明焦点、野党手ぐすね

東京, 11月25日, /AJMEDIA/

 岸田政権は25日から今国会のヤマ場となる衆参両院予算委員会に臨む。3閣僚の辞任で政権の苦境が続く中、「政治とカネ」の疑惑を抱える秋葉賢也復興相が説明を尽くし、審議を乗り切れるかが焦点。岸田文雄首相と松本剛明総務相にも政治資金絡みの問題が浮上しており、さらなる打撃を狙う野党は手ぐすね引く。
 「政治家としての責任において適切に説明することが重要だ」。松野博一官房長官は24日の記者会見で、秋葉氏の疑惑についてこう強調。23日には秋葉氏から電話で「しっかり説明責任を果たしたい」と報告を受けた。
 写真週刊誌「フライデー」は秋葉氏の公設秘書2人が昨年10月の衆院選で、選挙運動の報酬として12万円と8万円をそれぞれ受け取っていたと報じた。報酬の支払いは事務員らに限られており、公職選挙法に抵触する可能性が指摘されている。秋葉氏には母や妻に家賃を支払う形で政治資金を還流させた疑いも出ている。
 与党は、3閣僚の交代を巡り首相の判断が遅れたとして、不満を募らせている。秋葉氏が予算委で立ち往生し、4人目の閣僚交代となれば、内閣支持率が低迷する政権の致命傷になりかねない。首相周辺は「何があっても突っ切ってもらうしかない」と語った。
 首相にも「政治とカネ」の問題が発覚。昨年の衆院選の選挙運動費用収支報告書に、ただし書きのない領収書を多数添付していたと別の週刊誌に報じられたことについて、首相は24日、官邸で記者団に「領収書の記載の一部に不十分な点があった」と述べ、不適切な処理を認めた。公選法は支出目的や金額を記載した領収書の提出を義務付けているが、ただし書きの記載がない領収書は98枚に上る。
 総務相を巡っては、資金管理団体が開催した政治資金パーティーで、会場の収容人数を大幅に上回るパーティー券を販売していたと、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」が伝えた。24日の参院総務委員会で共産議員が実際の参加人数を示すよう再三求めたが、松本氏は「法の定める事項は報告している」と答弁。共産議員は「答えられないなら寺田稔前総務相と同じだ」と非難した。
 首相と松本氏の問題に関し、与党内では「続報がなければ大ごとにはならない」との見方が多い。だが、自民党関係者は「大事なのは国民がどう受け止めるかだ」と懸念を示した。

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