子ども予算「倍増」で攻防 泉氏が訂正要求、岸田首相拒む―衆院予算委

東京, 2月23日, /AJMEDIA/

 22日の衆院予算委員会では、岸田文雄首相と立憲民主党の泉健太代表が、子ども・子育て予算「倍増」を目指すとした先の首相答弁を巡って攻防を繰り広げた。泉氏は、国内総生産(GDP)比4%、20兆円超規模に増やすと受け取れるとして答弁訂正を迫ったが、首相は応じなかった。
 首相は15日の衆院予算委で、児童手当などを含む「家族関係社会支出」に触れて「2020年度でGDP比2%(10兆円超)。それをさらに倍増しようと言っている」と発言した。翌日に磯崎仁彦官房副長官が「将来的な(予算)倍増を考えるベースとして言及したわけではない」と軌道修正し、首相答弁の「軽さ」が問題となっていた。
 この日は「倍増」答弁後、初めて首相が予算委審議に出席。泉氏は「副長官が訂正したからといって、許されるものではない」と追及したが、首相は「(政策の)中身を整理している段階で、予算(規模)だけ先に申し上げることは今までの答弁と比べても矛盾する」と苦しい釈明に追われた。
 誤解した聞き手が悪いと言わんばかりの開き直った答弁に、泉氏は「何を倍増するのか。意味不明だ」「『言い過ぎた。修正させてくれ』と言えばいい」と攻勢を強めたが、首相は「求められる政策をしっかり整理した上で、倍増を目指すと申し上げた」とかわし続けた。倍増の起点となる予算額や実現時期も明らかにしなかった。
 倍増実現のめどについて、首相側近の木原誠二官房副長官も21日のBS番組で「子どもが増えれば予算は増える。出生率がV字回復すれば早いタイミングで倍増する」と期限を示さなかった。
 首相はこれまでも「令和版所得倍増」や「資産所得倍増」といったスローガンを打ち出し、「倍増」の表現を好んできた。曖昧な答弁に終始する首相に対し、質疑を終えた泉氏は記者団に「いつまでにやるのかも分からない。何を基準にするかも分からない」と不満を表明。「中身も決まっていないのに倍増という言葉だけを言っている」と切り捨てた。

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