大和証券に1900万円賠償命令 証券担保ローン利用で損失―東京地裁

東京, 3月16日, /AJMEDIA/

 保有する有価証券を担保に借りた資金で行った金融取引で損失が生じたとして、埼玉県の60代女性が大和証券を相手取り、約4270万円の賠償を求めた訴訟の判決が15日、東京地裁であった。武部知子裁判長は、女性が借金返済を望んだのに、同社従業員が取引を継続させて損失が拡大したと認め、約1900万円の支払いを命じた。
 この借金は「証券担保ローン」と呼ばれ、借金が担保評価額の一定割合を上回ると返済を求められる。女性の代理人弁護士によると、同ローンを利用した取引をめぐり証券会社に賠償が命じられたのは初めて。
 判決によると、女性は2013年8月以降、保有する投資信託や債券などを使った証券担保ローンで工面した資金で別の投資信託などを複数回にわたって購入した。その後、証券の時価評価額が下がったため、売却し返済に充てたいと従業員に伝えたが、「評価額はそのうち上昇する」などと言われ、実行できないまま時間が経過した。
 武部裁判長は、女性が返済の相談をした15年8月以降は、従業員に女性の意向を否定しない注意義務があったのに取引継続を誘導し、義務に違反したと認めた。
 大和証券広報部は「個別の事案につき回答は控えたい」とコメントしている。

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