北朝鮮、ICBM開発を加速 日米韓は新型システム試射と非難

東京, 3月12日, /AJMEDIA/

北朝鮮が新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発を加速している。米政府高官は10日、北朝鮮が発射した2月27日と今月5日の弾道ミサイルを分析した結果、開発中のICBMシステムと関連した試射だったと明らかにした。日韓両政府も同様の発表を行い、足並みをそろえて北朝鮮を強く非難した。
 米高官によると、北朝鮮が実験したのは2020年10月の軍事パレードで公開された新型ICBMシステム。パレードには片側11輪の移動式発射台(TEL)に載せられた新型ICBMが登場し、北朝鮮が17年11月に発射した、米本土を射程に収める「火星15」を上回る大きさで各国が警戒感を示していた。
 米高官は2回の発射ではICBMの性能を十分に発揮しておらず、「新型システムのテストが目的だった可能性がある」と分析。岸信夫防衛相は記者会見で「最大射程での発射試験を行う前に、何らかの機能の検証を行うことを目的として発射された可能性がある」と説明した。
 朝鮮中央通信は11日、北朝鮮の金正恩総書記が北西部・東倉里の「西海衛星発射場」を現地指導したと報道。正恩氏は「西海衛星発射場を宇宙征服のスタートラインに変貌させるのは党と宇宙科学者、技術者の崇高な責務だ」と訴え、改修を指示した。
 衛星発射場では過去に人工衛星打ち上げ名目で長距離ミサイルを発射した経緯がある。日米韓3カ国とも、北朝鮮が宇宙開発などと称して本格的な試射を行う恐れがあると警戒を強めている。
 北朝鮮は18年4月に核実験とICBM発射の凍結を表明したが、非核化をめぐる米朝協議が停滞し、今年1月に再開を示唆。ウクライナ侵攻や競争激化でロシアや中国と米国の対立が深まり、国連安保理で各国の一致した行動が見込めない隙を突く形でミサイル能力の向上を図っている。
 韓国の次期大統領に対北朝鮮で強硬姿勢を示し、米韓、日米韓の連携強化に前向きな尹錫悦氏が決まった。尹氏は10、11の両日に早速、バイデン米大統領、岸田文雄首相と電話で会談し、北朝鮮の核・ミサイル問題をめぐり緊密に連携していくことで一致した。
 日米韓は発射が国連安保理決議違反だと強く非難。米高官は、情報公開を通じて同盟・友好国が結束し、国際社会が一致して北朝鮮のミサイル発射に反対を唱えるべきだと訴えた。

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