介護・福祉に先端IT活用 高齢者見守り、VR疑似旅行も

東京, 8月18日, /AJMEDIA/

 介護や福祉の分野に先端技術を活用する取り組みが広がりつつある。高齢化のさらなる進展に伴い、増加が見込まれる在宅介護の負担軽減や、外出が難しくなった人の社会参加機会の確保といった課題が浮上。IT企業各社は、1人暮らしの高齢家族の見守りや、仮想現実(VR)での疑似旅行体験などに力を入れ、高齢化社会の課題解決を目指している。
 ソースネクストは、米新興企業テラス・ユー・ケアと協業し、同社の高齢者見守り機器の販売を始めた。自動運転車に使われる「ミリ波レーダー」を応用し、寝室の壁に取り付けるだけで、睡眠習慣や心拍数、呼吸数などを測定。スマートフォンアプリを通じて、離れた場所に住む家族の生活状態を確認したり、普段通りに起床しないなどの異常を検知したりできる。
 本体価格は3万9800円、専用アプリは月額1980円で利用できる。高齢期を自宅で過ごすニーズが高まるとみており、2029年度末に累計で100万台の販売を目指す。
 米メタ(旧フェイスブック)日本法人は、神戸市や盛岡市と連携し、VRを福祉に活用するプロジェクトを進めている。1日には、神戸市の特別養護老人ホーム「六甲の館」で、入所者を対象に360度カメラで撮影した明石海峡大橋などの観光スポットを疑似旅行する体験会を開いた。
 ゴーグル型のVR端末を初めて装着した入所者からは「行ったことのある場所。懐かしかった」との声が上がった一方、「何が何だか分からなかった」といった感想も。プロジェクトに参加する東大先端科学技術研究センターの登嶋健太氏は、福祉へのVR活用は研究途上だとしつつ、「楽しみながら自然と首や目を動かすことができ、リハビリになる」と効果を語った。

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