事件前日、岡山でも襲撃計画 容疑者供述、周到に準備か―銃弾2発命中・安倍元首相銃撃

東京, 7月10日, /AJMEDIA/

 自民党の安倍晋三元首相(67)が奈良市内で街頭演説中に銃撃され死亡した事件で、逮捕された無職の山上徹也容疑者(41)が奈良県警の調べに対し、事件前日の7日に岡山市の安倍氏の演説会場を訪れていたと供述していることが9日、捜査関係者への取材で分かった。
 県警は、同容疑者が安倍氏の遊説先を調べるなど周到に計画し、襲撃の機会をうかがっていた疑いがあるとみて調べている。
 捜査関係者によると、山上容疑者は調べに対し、「事件前日に岡山にも行った」と供述。安倍氏の遊説日程はインターネット上で公表されており、当日の奈良市入りは「ホームページで知った」と話しているが、岡山の会場も同様の方法で把握したとみられる。
 山上容疑者は8日午前11時半ごろ、近鉄大和西大寺駅前で安倍氏の背後から発砲し、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。銃は手製で、銃身とみられる2本の筒をテープで束ねたような構造だった。一度に複数の弾を発射していた可能性があり、奈良市内の自宅からは似た手製の銃のようなものが数丁押収された。県警が鑑定して殺傷能力の有無などを調べている。
 山上容疑者は、自宅最寄り駅の近鉄新大宮駅から大和西大寺駅に移動し、安倍氏に向けて2回発砲。両駅の防犯カメラに同容疑者の姿が映っていた。司法解剖の結果、安倍氏には少なくとも銃弾2発が命中していたことが判明した。このうち左上腕部から入った1発が、体内で左右の鎖骨下の動脈を損傷し、致命傷になったという。首には傷が2カ所あり、うち1カ所は銃弾によるものと確認された。
 捜査本部のある奈良西署には9日午前、現場近くにあった自民党の選挙カーが運び込まれた。県警は、看板に数カ所あった穴を弾痕と確認した上で事件との関係を調べている。自民党関係者によると、選挙カーは現場から約20メートル北側の車道脇に止まっていた。
 山上容疑者は「安倍元首相が宗教団体とつながりがあると思って犯行に及んだ」と供述。「政治信条への恨みでやったわけではない」とも話しており、県警は慎重に動機を調べている。

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