中国、30年に核1000発 予想上回る戦力増強―極超音速兵器を初配備・米報告書

東京, 11月04日, /AJMEDIA/

 米国防総省は3日、中国の軍事・安全保障分野の動向に関する年次報告書を公表した。中国が2030年までに少なくとも1000発の核弾頭を保有する意向を持っている可能性があると分析。昨年には極超音速兵器を初めて配備したとして、中国が米国の予想を超えるペースで核・ミサイル戦力増強を進めていると危機感を示した。

 報告書は「中国は核戦力拡大のペースを加速させており、27年までに核弾頭700発の保有が可能になる公算が大きい」と指摘。30年には1000発を超えるとの見通しを記し、「国防総省が昨年立てた予想を上回るペースと規模だ」と警告した。

 国防総省は昨年9月公表の前回の年次報告書で、中国の保有核弾頭数を「200発台前半」と推計し、今後10年で倍増すると予測していた。今年の報告書では予想を修正し、5倍近くに増加する可能性があるとした。

 空中発射弾道ミサイル(ALBM)の開発により、陸海空それぞれの領域で核兵器を運搬できる「核の3本柱」完成の初期段階に入ったとも分析した。また、大陸間弾道ミサイル(ICBM)用の地下格納庫を数百カ所建設しており、中国が敵の核ミサイルの着弾前に核報復を行う「警報即発射」態勢を整えつつあるとの見方を示した。

 さらに、昨年にはロケット軍が音速の5倍以上で大気圏を滑空する極超音速滑空体を搭載できる中距離弾道ミサイル「東風17」を初めて配備したと報告した。極超音速兵器は弾道ミサイルより低空を飛行する上、機動性も高く、既存のミサイル防衛システムでの探知・迎撃は困難とされる。

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