与党「10増10減」で神経戦 公明4枠要求、自民慎重―次期衆院選

東京, 2月19日, /AJMEDIA/

 衆院小選挙区「10増10減」の候補者調整で、自民、公明両党の駆け引きが本格化している。公明党は定数が増える都市部で最大4選挙区の新規擁立を目指す。自民党は地方で議席が減る影響もあり選挙区の明け渡しには慎重。次期衆院選での選挙協力もにらみ、与党内の「神経戦」(公明幹部)が展開されている。
 公明党の石井啓一幹事長は17日の記者会見で「定数が増える地域で積極的に擁立を目指す考えに変わりない」と強調した。既に発表した東京29区(荒川区など)に加え、東京の多摩地域、埼玉、千葉、愛知の中で4選挙区の擁立を要求。自民党の森山裕、公明党の西田実仁両選対委員長を中心に協議が続いている。
 「10増10減」の対象となる1都14県の134選挙区のうち、自民党はこれまでに100選挙区で公認候補となる支部長を選任。ただ、東京18区(武蔵野市など)、同30区(府中市など)、埼玉14区(草加市など)、愛知16区(犬山市など)は判断を先送りした。これらの選挙区が自公協議の俎上(そじょう)に載っているとみられる。
 公明党は国政選挙で比例得票数の減少傾向に歯止めがかからず、党勢の衰えが指摘される。小選挙区候補を増やし、全体の議席数を維持したい考え。公明党関係者は「満額回答」となる4選挙区獲得は難しいと認め、「2選挙区」が落としどころとみている。
 これに対し自民党幹部は「地方の選挙区減の影響は全て自民党が被る」と訴え、安易な妥協には応じない考え。選挙区を失った自民現職は比例代表への転出を余儀なくされており、選挙区が増える各県の空白区では独自候補の擁立を探る動きもある。自民党関係者は「難度の高い調整だ」と頭を悩ます。
 公明党は1月、前回は旧東京12区(北区など)で当選した現職を新29区で公認すると発表した。自民党執行部から事前に了解を得たというが、自民都連は「自公の選挙協力は破綻した」と突き上げる。自公ともに衆院選準備に万全を期すため早期決着を求める声があるものの、調整不十分のまま結論を急げば連立関係が揺らぐ可能性もある。

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