ロシアと姉妹都市、解消はゼロ 交流は休眠―ウクライナ侵攻1年

東京, 2月22日, /AJMEDIA/

 ロシアによるウクライナ侵攻への批判が高まる一方で、ロシアの都市と姉妹提携を解消した国内の自治体は、現段階で確認されていない。担当者からは「国と国との関係とは別」(大阪市)など冷静な反応が聞かれるが、実際の交流は休眠状態となっている。
 自治体国際化協会(東京都千代田区)によると、国内の43自治体がロシアの都市と姉妹(友好)提携しており、開戦前後で増減はない。大阪市は慰安婦像を設置した米サンフランシスコ市に抗議し、2018年に提携を解消したが、ロシア・サンクトペテルブルク市との関係は維持。担当者は「市の意思で市有地に像を置いたサンフランシスコとは事情が違う」と説明し、「(関係を)切ってしまえば対話もできなくなる」と話す。
 「竹島の日」条例で韓国・慶尚北道から提携破棄を一方的に通告された島根県も「自治体との交流。外交問題とは切り離している」とし、ロシア沿海地方との友好提携を続ける。
 ただ、関係を取り消さないだけで、交流の動きはない。地理的、歴史的にロシアと関係が深い北海道も、今動くのは「お互いに逆効果」と担当者。16年に日ロ首脳会談が行われたことを機にソチ市と友好提携した山口県長門市の担当者も「国際交流は税金を使う事業。難しい」と話す。
 ◇避難民支援、精神ケアも
 ウクライナの都市では、横浜市が同国南部のオデッサと、京都市が首都キーウと姉妹関係にある。出入国在留管理庁によると、同国からの避難民の在留者は15日時点で2185人。各地では公営住宅や生活資金を提供する事例が多いが、横浜市は精神面のケアも重視。慣れない国での生活を応援しようと、交流カフェを設置してウクライナ料理教室を開くなど、「一人ひとりに寄り添った支援」を進めている。
 他の自治体によるウクライナ支援も活発だ。防寒着などの物資を現地に送る例が多いが、三重県大台町などで構成する紀勢地区広域消防組合は、第一線を退く救急車を寄付。現地で深刻な被害が続く中、同組合の担当者は「ぜひとも車両をウクライナでも役立ててほしい」としている。

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