マンション再建、賛成「3分の2」で 要件緩和へ試案―法制審部会

東京, 6月9日, /AJMEDIA/

法制審議会(法相の諮問機関)の区分所有法制部会は8日、老朽化した分譲マンションの再建を容易にするため、所有者の合意要件の緩和を盛り込んだ中間試案をまとめた。建て替えに必要な多数決の割合を現在の「5分の4」から「3分の2」に引き下げるなど複数の案を提示。今夏から意見公募(パブリックコメント)を始め、答申に反映させる。
空き家活用へ建て替え規制緩和 管理不全物件は税優遇解除―今国会に特措法改正案・政府

 現行の区分所有法は、分譲マンションを建て替えるには所有者の「5分の4」の同意が必要と定める。要件が厳格で、建物の迅速な再建が困難となっている。
 中間試案はこの要件を「4分の3」に引き下げるA案と、「5分の4」を維持するB案を提示。耐震性の不足など一定の条件に該当すれば、A案はさらに「3分の2」に、B案は「4分の3」に引き下げるとした。
 現在、建物の取り壊しは「全員」の同意が必要だが、建て替えと同様に多数決で決められる制度の創設を検討する。多数決割合は示さなかった。
 建て替えに関する決議では、所在不明の所有者は「反対」として扱われる。裁判所の関与の下、多数決の母数から除外する仕組みの導入も提唱した。
 大規模災害時に被災したマンションの建て替え・取り壊しは、現在の「5分の4」から「3分の2」に緩和する案を軸に検討する。
 分譲マンションを巡っては、建物の老朽化と所有者の高齢化の「二つの老い」が指摘される。相続などで所在が分からない所有者の増加が見込まれる中、要件緩和を求める声が上がっていた。
 法務省は法制審の答申を踏まえ、来年1月召集の通常国会に関連法案を提出する予定だ。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts