フィリピン 日本人戦犯に恩赦 キリノ元大統領 記念碑建設へ

東京, 03月02日 /AJMEDIA/

フィリピンで戦後、日本人の戦犯に恩赦を与えて日本とフィリピンの国交正常化に道をひらいたキリノ元大統領を顕彰する記念碑が建てられることになり、現地で起工式が行われました。

記念碑の建設はフィリピンに暮らす日本人の有志によって発案され、29日、首都マニラ郊外のかつて戦犯の収容所があった場所で起工式が行われました。

キリノ元大統領は終戦から8年後の1953年に、日本との関係改善を重視して、フィリピンで犯した戦争犯罪によって死刑などが確定していた100人余りの日本人の戦犯を恩赦し、帰国させました。

式典では、キリノ元大統領の孫娘があいさつし、戦争中、元大統領が旧日本軍によって妻や子どもを殺されたにもかかわらず戦犯を恩赦した歴史を振り返り「最も大きなゆるしを与えられる心とは、最も傷ついた心なのだ。指導者というのはゆるすために愛する心を持たなければならないという世界への教訓だ」と話しました。

フィリピンは太平洋戦争の最大の激戦地で、100万人に上る民間人が犠牲となったため、戦後は強い反日感情が残っていましたが、恩赦をきっかけとして日本とフィリピンは1956年に国交を正常化しました。

元大統領の記念碑はことし10月をめどに完成する予定です。

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