ガーシー氏に擁護の声なく 与野党、「除名」へ粛々手続き

東京, 2月22日, /AJMEDIA/

 初当選以来一度も国会に登院していないNHK党のガーシー(本名・東谷義和)参院議員に「公開議場での陳謝」を求める処分案が21日、参院懲罰委員会で可決された。与野党には即刻「除名」を求める声もあったが、全会一致を優先した。擁護する声はなく、3月上旬にも予想される除名処分へ粛々と手続きが進む見通しだ。
 ガーシー氏は昨年7月の参院選比例代表で当選したが、同8月と10月召集の臨時国会をまるまる欠席。今年1月召集の通常国会でも姿を見せていない。これまで支払われた歳費や調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)などは1700万円超。国会法に基づき1月下旬に尾辻秀久参院議長から書面で出席を求められたが、期限までに応じなかった。
 懲罰委で与野党の委員は一様にガーシー氏を非難。自民党の牧野京夫氏は「責務の放棄」と断じ、立憲民主党の田名部匡代氏も「(登院しないとの)一部有権者との約束をもって国会法違反が許されるわけではない」と同調した。公明党の横山信一氏は「海外からSNSで発信するだけでなく、正々堂々と国会で議論すべきだ」と訴えた。
 ガーシー氏の代理を務めたNHK党の浜田聡参院議員は、帰国しない理由について「不当な拘束を受ける可能性がある」と弁明した。ただ、ガーシー氏はこれまで「要人との面会」「(国会で)NHKの郵便法違反を追及していないから」など理由を変遷させており、「意味をなさない」(自民)、「一貫性がない」(日本維新の会)と疑問視する声が相次いだ。
 懲罰の重さを巡っては各党に温度差もあった。共産党は事前の話し合いで「民意で選ばれた国会議員の首をいきなり切っていいのか」と、最も重い除名に突き進むことに慎重な立場を表明。ガーシー氏が「(反対する議員は)自民党にどんどん首を切られる」と「数の力」をけん制していたこともあり、今回は軽い方から2番目の「陳謝」に落ち着いた。
 ただ、ガーシー氏が陳謝に応じない場合、共産党も「除名に反対しない」(幹部)としている。懲罰委が決定した、ガーシー氏に朗読を求める陳謝の文案は「本院の信用を失墜させたことは誠に申し訳なく、深く自責の念に堪えない」との内容。委員の一人は「あえて屈辱的な文面にした」と明かした。

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