「義勇兵」募集に政府困惑 ウクライナでの安全確保困難

東京, 3月3日, /AJMEDIA/

 在日ウクライナ大使館がロシアの侵攻を受け、ロシア軍と戦う「義勇兵」を募集したことに政府が困惑している。外務省は現地での邦人の安全確保は困難だとして、希望者には個別に渡航を見合わせるよう説得する方針だ。
 松野博一官房長官は2日の記者会見で「ウクライナ全土に退避勧告を発しており、目的のいかんを問わず、渡航をやめていただきたい」と強調。大使館側にもこうした考えを伝えた。
 ウクライナ大使館はツイッターに日本語で、「自衛隊など専門的な訓練の経験」を持つ人を対象に義勇兵を募集。コルスンスキー駐日大使は1日のBS番組で元自衛隊員を含む約70人から希望があったことを認め、「外国人部隊を結成し、ともに戦おうという考えを持っている人々がいるのは確かだ」と語っていた。2日午後の時点で募集の書き込みは削除された。
 コルスンスキー大使は2日午後、外務省を訪れ林芳正外相と会談し、日本側のこれまでの支援に謝意を伝えた。外務省は、義勇兵問題が取り上げられたかは「お答えできない」としている。
 憲法では「移動の自由」が保障され、渡航を法的に禁止するのは困難だ。ただ、渡航後に日本人がロシア側に拘束される懸念もある。
 過去に政府は「海外で傭兵(ようへい)として活動し、殺人を行った日本人が日本国内に戻った場合、わが国で処罰することは可能だ」と国会で答弁している。外務省幹部はこうした政府答弁に触れ、「義勇兵として行くのは避けてほしい」と訴えている。

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