「工藤会」関与、背景解明へ 容疑者逮捕から1週間―王将社長射殺事件

東京, 11月4日, /AJMEDIA/

 「餃子の王将」を展開する王将フードサービスの社長だった大東隆行さん=当時(72)=が射殺された事件は4日、殺人容疑などで特定危険指定暴力団工藤会系組幹部の田中幸雄容疑者(56)が逮捕されてから1週間となる。田中容疑者は調べに黙秘を続ける一方、京都、福岡両府県警の合同捜査本部は工藤会の組織的な関与も視野に入れ、関係者の聴取を進めるなど全容解明を急いでいる。
 事件は2013年12月19日早朝に発生。大東さんは京都市山科区の本社前で腹部などを4発撃たれ失血死した。財布などに多額の現金が残されていたため、府警は当初から金銭目的ではなく、何らかのトラブルが原因とみて捜査していた。
 その後、押収された盗難バイクと防犯カメラに映った九州ナンバーの車などから、田中容疑者が浮上。現場で押収したたばこの吸い殻から検出されたDNA型が同容疑者のものと一致するなど状況証拠を積み重ね、約9年を経て逮捕に踏み切った。
 これまでに投入された捜査員は延べ約26万1200人に上るが、田中容疑者と大東さんとの接点は確認されていない。そこで合同捜査本部が注目するのが、王将フードサービスの第三者委員会が16年に公表した報告書の内容だ。
 報告書によると、王将フードサービスは1995~05年ごろ特定の企業グループと不適切な取引を繰り返し、計約200億円が流出したとされる。
 大東さんはこうした取引の清算を進める中、銃撃されたという。不適切な取引は創業家が経営を担っていた時代に繰り返されていた。合同捜査本部はグループの経営者だった男性のほか、創業者の長男を含む王将関係者からも幅広く事情を聴いている。
 捜査関係者によると、田中容疑者は雑談に応じるものの、事件については黙秘を続けている。合同捜査本部は3日、田中容疑者が所属する工藤会2次団体の石田組事務所(福岡県春日市)を家宅捜索。工藤会による組織的な関与の有無について調べを進めている。

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