「宗教団体施設で試射した」 容疑者の車から穴開いた板―安倍元首相銃撃・奈良県警

東京, 7月11日, /AJMEDIA/

 自民党の安倍晋三元首相(67)が奈良市内で街頭演説中に銃撃され死亡した事件で、無職山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=が「恨みのあった宗教団体の関連施設で試し撃ちをした」という趣旨の供述をしていることが10日、捜査関係者への取材で分かった。同容疑者の車からは穴が開いた板が発見され、奈良県警が供述との関連を調べている。
 山上容疑者はこれまでの調べに、母親がのめり込んでいた宗教団体の幹部を狙っていたと説明。「安倍元首相が宗教団体とつながりがあると思った」と話しているという。
 県警によると、9日に押収した山上容疑者名義の軽自動車の捜索で、穴が開いた木製の板が数枚見つかった。約1メートル四方の板の全てに弾痕とみられる穴が数カ所あり、捜索に立ち会った同容疑者は「試し撃ちに使った」と説明したという。県警は、穴が銃弾によるものか確認を進めるとともに、試射の時期や場所について捜査している。
 車内からは、アルミホイルで覆われたトレー数個も発見された。各トレーは同じような大きさで、縦約25センチ、横約35センチ、高さ約5センチ。山上容疑者は「火薬を乾かすために使った」と話しており、県警は、具体的な用途などをさらに調べる。
 安倍氏は8日午前11時半ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で、参院選の応援演説中に銃撃された。山上容疑者は2回発砲し、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。安倍氏は同日午後5時すぎ、搬送先の病院で死亡。死因は失血死だった。
 使用された手製の銃は、銃身とみられる2本の筒をテープと木の板で固定したような構造だった。現場から約20メートル先にあった選挙カーの看板から弾痕が見つかるなど、県警は一度の発砲で複数の弾が発射される仕組みだったとみて、確認を急いでいる。
 奈良市内の山上容疑者の自宅からは特徴の似た銃のようなものが数丁押収されており、同容疑者が試射を繰り返しながら安倍氏襲撃に使う銃を選んでいた可能性もある。

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