「アジア代表」訴え積極外交 脅威増す安保環境に危機感―岸田首相

東京, 3月26日, /AJMEDIA/

 岸田文雄首相は25日、ベルギーでの先進7カ国(G7)首脳会合を終え、政府専用機で帰国した。現地滞在10時間の強行日程で首相は「アジアの代表」として、ロシアのウクライナ侵攻に対する国際社会の結束を演出した。
 「ロシアへの支援や制裁のバックフィル(穴埋め)があってはならない」。首相は、ロシアを経済・軍事面で支援する恐れのある中国を念頭に会合でこう表明。各国の結束を促した。
 G7は共同声明で「ロシアが侵略を継続するための支援を行わないよう」全ての国に要求すると明記。外務省幹部は「対中けん制で認識を一致できたことは良かった」と成果を強調した。
 東・南シナ海で現状変更の動きを強める中国をはじめアジアの安全保障環境は急速に悪化。危機感を強める首相には、米欧の関心をアジアに振り向ける狙いがあった。
 G7会合直前に北朝鮮が発射した弾道ミサイルにも機敏に反応。現地入り後、すかさず記者団を前に「許されない暴挙だ」と非難し、G7会合やバイデン米大統領と短時間行った立ち話で、対北朝鮮での緊密な連携を確認した。
 首相は現地を離れる際、記者団に「ロシアの侵略に対する国際的な取り組みをリードしていきたい」と強調。夏の参院選も念頭に、外交面での指導力発揮に意欲をのぞかせた。
 ただ、今回の共同声明で確認したエネルギーの「脱ロシア依存」をめぐって、資源の安定供給を重視する日本の対応は遅れ気味だ。対ロ制裁や中国への対応で各国とどこまで結束を示せるかは不透明な要素もある。

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