軍事侵攻続くウクライナ 世界各国の専門家が停戦条件など議論

東京, 03月15日 /AJMEDIA/

世界各国の専門家が国際情勢を巡って議論する会議が14日、東京都内で開かれ、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナにとって現実的な停戦の条件など、戦闘をどう終結させるかを巡り意見を交わしました。

この会議は、日本のシンクタンク「言論NPO」が東京都内で開いたもので、アメリカやドイツ、インド、ブラジルなど11か国から国際政治の専門家などが出席しました。

ロシアによるウクライナ侵攻についても議論され、北欧の政治コンサルタント会社のCEOを務めるファブリス・ポティエ氏は「戦争をウクライナにとって有利な条件で終わらせるためには、ウクライナがヨーロッパ側の安全保障の枠組みに入らなくてはならない」と述べ欧米側は、ウクライナのNATO=北大西洋条約機構への加盟を認め安全を保障した上で、停戦を模索すべきだと訴えました。

一方、ドイツのシンクタンクの所長を務めるシュテファン・マイヤー氏は「NATO加盟にも賛成だが容易ではない。戦争はまだ続くと考えるべきだ」と述べ、あくまでもウクライナ支援を続けてロシアを弱体化させた上で停戦の道を探るべきだとしています。

アメリカの外交問題評議会のジェームス・リンゼイ氏は、NHKの取材に対してウクライナが戦況を好転させられるかどうかはアメリカがカギを握っているとした上で支援を停止すべきだと発言しているトランプ前大統領について「アメリカ政治で大きな力を持っているが実際何をするかを予測するのは非常に難しい」と述べトランプ氏の言動を注意深く見ていく必要があると強調しました。

アメリカの専門家「トランプ氏が何をするか予測困難」
会議に参加したアメリカの外交問題評議会のジェームス・リンゼイ氏は、長期化するウクライナ侵攻について「平和的に終結する見込みは依然として低い。ウクライナがここ数か月苦境に立たされているのは西側諸国、特にアメリカからの支援が少なくなっているせいでもある」と指摘しました。

その理由について、ウクライナへの支援を停止すると発言しているトランプ前大統領の存在を挙げ、「トランプ氏はアメリカ政治において大きな力を持っている。トランプ氏がウクライナについて語ることで共和党の何人かがウクライナへの支援予算を支持しなくなるのは明らかだ」と指摘しました。

また、リンゼイ氏は「トランプ氏が実際何をするか予測するのは非常に難しい。アメリカの政治では、大統領になった場合、候補者として言っていたこととまったく同じことをするとは限らないからだ」と述べ、トランプ氏の言動を注意深く見ていく必要があると強調しました。

そして国際社会は2つの戦争にどう対応するかについてリンゼイ氏は中国に言及し「より建設的な役割を果たすことを望んでいる」と述べ、中国の外交的な影響力を使うべきだと主張しました。

さらに「日本は公正で永続的な平和を築くための方法を見つけようとしている」とし、各国がそれぞれの役割に応じて問題解決に向けて具体的に取り組むべきだと指摘しました。

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