藤井聡太七冠 「名人戦」3連覇 挑戦者の永瀬拓矢九段に勝つ

東京, 5月31日, /AJMEDIA/

将棋の八大タイトルの1つ、「名人戦」七番勝負の第5局が茨城県古河市で行われ、藤井聡太七冠が挑戦者の永瀬拓矢九段に勝って、「名人戦」3連覇を果たしました。

「名人戦」七番勝負は藤井七冠が3勝1敗とタイトル防衛に王手をかけていて、第5局は29日から茨城県古河市のホテルで始まりました。

2日目の30日は先手の永瀬九段が29日の対局終了時に次の1手を書いた「封じ手」から再開しましたが、再開からおよそ2時間後、同じ局面が4回繰り返される「千日手」となり、規定によって「指し直し」となりました。

「指し直し」の対局は先手と後手を入れ替えて行われ、互いに守りを固めながら、攻める機会をうかがう展開となります。

終盤にかけて、永瀬九段が徐々に形勢を有利にしますが、藤井七冠が攻撃をしのいで形勢を逆転。

ともに持ち時間を使い切り、1手を1分未満で指す「1分将棋」となりますが、藤井七冠が相手玉を追いつめて午後11時16分、永瀬九段が171手までで投了しました。

この結果、藤井七冠が4勝1敗でタイトルを防衛し「名人戦」3連覇を果たしました。

藤井七冠の次のタイトル戦は6月3日に栃木県日光市で開幕する「棋聖戦」五番勝負で、杉本和陽六段の挑戦を受けます。

藤井聡太七冠「充実した時間だった」
対局のあと、タイトル防衛を果たした藤井聡太七冠は、第4局に続き再び「千日手」からの指し直しとなったことについて「前回とは違って、すぐに指し直しだったので、作戦を考えるというよりは気持ちを切り替えていました。指し直しの対局は戦いが始まってからの数手ですぐに苦しくなってしまい、最後まで苦しい局面が続いていたかなと思うので、内容としては反省点が多かったかなと感じています」と話していました。

そして、七番勝負を振り返って「シリーズを通して、非常に難しい局面が多かったのでそういう局面をいろいろ考えられたのは、充実した時間だったのかなと思いますし、その中で、今の自分に足りていないものも見えてきたところがあったかなと思います」と話していました。

永瀬拓矢九段「悪い点を修正して挑みたい」
一方、敗れた永瀬拓矢九段は、「途中まで、先手番で善戦できなかったことがよくなかったと思いますが、きょうの対局では少しいい将棋を指せていたような気がします。七番勝負が3連敗で始まってしまうのはおいしくなかったので、次に藤井七冠に挑戦する王位戦ではそれを避け、今まで以上に悪い点を修正して、挑みたいと思います」と話していました。

藤井聡太七冠 記者会見「大変なシリーズだった」
「名人戦」3連覇を果たした藤井聡太七冠は、感想戦を終えた後、記者会見に臨みました。

まず、今回の対局相手の永瀬拓矢九段について「実力はいつも感じているので、今回の名人戦も勝負としては厳しいものになると考えていました。永瀬九段と2日制の将棋を指すことができて得るものが多かったと感じていますし、7月からの王位戦でも対戦するので、得たものを実力に変えていかなくてはいけないと思っています」と話していました。

また、「名人」のタイトルを防衛し、3連覇を果たしたことについては「まだ防衛という実感が出てこないところがあるかなと思います。『永世名人』を具体的な目標として意識してはいませんが、漠然とした憧れはあったので、それに近づけるようにより実力を付けていかなくてはいけないという気持ちは持っています」と述べました。

そして「終盤までかなり苦しい局面も多くあったので大変なシリーズだったと思っています。先手番になったときに主導権を取ることができないという将棋が続いたので、まずはその点をどう改善していけるかが考えていかなくてはいけないポイントだと思います」とシリーズを振り返りました。

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