茂木幹事長、「ポスト岸田」へ存在感 派閥会長内定も結束課題―自民

東京, 11月14日, /AJMEDIA/

自民党の茂木敏充幹事長が、早くも存在感を見せている。4日に就任したばかりだが、給付金をめぐる公明党との調整をスピード決着させたほか、旧竹下派の会長就任も内定した。ただ、派内には参院側を中心に不満がくすぶり、「ポスト岸田」に向け足元の結束が課題となりそうだ。
 旧竹下派は11日、党本部で会合を開催。茂木氏はこの後、記者団に「『会長になってくれ』との意見があり、私の下で人事を固め正式に発足する」と述べ、近く「茂木派」に衣替えすると宣言した。
 茂木氏はもともと、実務能力への評価は高く、安倍、菅両政権で経済産業相や外相、党選対委員長などの重要ポストを歴任。経済再生担当相だった2019年には、トランプ米政権(当時)を相手に貿易協定締結を厳しい交渉の末に軟着陸させた。
 茂木氏の幹事長就任や派閥領袖(りょうしゅう)内定を受け、安倍派中堅は「ポスト岸田に仲間入りする」と指摘。政府内からも「岸田首相の後釜は茂木氏かもしれない」(高官)との見方も出始めた。
 一方、派内は一枚岩とは言えない。11日の会合は新人議員の紹介が議題だったが、茂木氏に近い笹川博義衆院議員らが「会長を決めるべきだ」と主張。参院の石井準一幹事長代理が「その前に役員を決めたらどうか」と異論を唱えたため、新藤義孝元総務相が「きょうの時点では会長予定者としよう」と引き取った。だが、参院側の拍手はまばらだったという。
 政界引退後も同派参院に影響力を保つ青木幹雄元参院議員会長は、「茂木会長」に反対とされる。参院中堅は、会長人事は事前の相談もなく不意打ちだったとして、「こんなやり方はおかしい」と不満を漏らす。参院側には、茂木氏が周辺議員とこうした段取りを協議していたとの見方も出ている。
 茂木氏は来年夏の参院選で、幹事長として指揮を執ることになる。同氏周辺は、「党を勝利に導き、派閥議員を増やせるか。それが試金石だ」と語った。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts