物価上昇3%超えも 燃料高・円安続く、政府は追加対策

東京, 9月21日, /AJMEDIA/

 物価上昇のペースが加速している。8月の全国消費者物価指数は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が前年同月比2.8%上昇。10月には3%台に達するとの民間予測もある。政府は10月に追加の物価対策を柱とする総合経済対策を策定する方針だが、エネルギー価格高騰や円安による物価高に有効策を打ち出せるかは不透明だ。
 帝国データバンクが実施した食品主要105社を対象とした8月末時点の調査では、10月に年内最多の約6500品目の値上げが予定されている。昨年10月の一部携帯電話会社による割安プラン導入の影響も取り除かれ、ニッセイ基礎研究所やSMBC日興証券などは10月の消費者物価指数の上昇率が3%を超えると予想する。
 政府は20日、2022年度の新型コロナウイルス・物価高対策予備費(当初5兆円)から3兆4847億円を支出すると決めた。物価高対策として、住民税非課税世帯に1世帯当たり5万円を給付。ガソリン補助金も年末まで延長する。
 10月にまとめる総合経済対策をめぐっては、自民党内から30兆円以上の規模を求める声が上がる。東京財団政策研究所の森信茂樹研究主幹は「大規模な財政出動はインフレの原因ともなり、物価高対策としては矛盾している」との見方を示す。
 一方、野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「中長期の物価安定の確保は、本来金融政策が担うべき領域だ」と指摘する。インフレ抑制へ金融引き締めに動く欧米と大規模金融緩和を続ける日銀との金融政策の方向性の違いが円安を招いている要因とされる。日銀が21、22日に開く金融政策決定会合では、大規模緩和が維持されるとみる市場関係者が多い。

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