東京, 4月18日, /AJMEDIA/
世界的に重要な記録物を人類の財産として保存するユネスコの「世界の記憶」に、東京の増上寺が所蔵する経典が新たに登録されることが決まりました。
ユネスコの「世界の記憶」は、世界的に重要な記録物を人類の財産として保存、活用することなどを目的に国際的に登録する制度で、2年に1度審査が行われています。
日本時間の17日、フランス・パリで開かれたユネスコの執行委員会で、浄土宗や東京 港区の増上寺が申請した「増上寺が所蔵する三種の仏教聖典叢書」の登録が決まりました。
これは中国の南宋時代など、12世紀から13世紀にかけて作成されたおよそ1万2000点に及ぶ木版の経典をまとめたもので、これらの経典が散逸せずほぼ完全な状態で残されています。
仏教学の世界的な基盤形成に貢献したほか、文献の多様性や文化財としての希少性から、歴史学や言語学など多くの分野で重要な役割を果たしたとされています。
これで日本に関連する「世界の記憶」の国際登録は9件になります。
一方、同時に広島市や中国新聞社、NHKなどが共同で申請していた「広島原爆の視覚的資料-1945年の写真と映像」は登録が見送られることになり、文部科学省では再申請するかどうかは申請者と検討することにしています。
阿部文科相「誠に喜ばしい」
阿部文部科学大臣は、閣議のあとの記者会見で「登録が認められたことは、誠に喜ばしく、各関係の皆様に祝意を表したい」と述べました。
一方、「広島原爆の視覚的資料-1945年の写真と映像」の登録が見送られたことについては、「登録がかなわなかったのは残念だ。今後について、申請者の意向も踏まえ、適切に対応していきたい」と述べました。