日野町事件、高裁も再審認める 84年の女性強殺―服役中死亡の元無期囚・大阪

東京, 2月28日, /AJMEDIA/

 滋賀県日野町で1984年、女性が殺害され金庫が奪われた「日野町事件」で、強盗殺人罪で無期懲役が確定し、服役中に病死した阪原弘・元受刑者=当時(75)=の遺族が申し立てた第2次再審請求の即時抗告審で、大阪高裁は27日、再審開始を認めた大津地裁決定を支持し、検察側の即時抗告を棄却した。石川恭司裁判長は「確定判決の事実認定と、自白の基本的根幹部分の信用性に合理的な疑いが生じた」と判断した。
 阪原元受刑者は捜査段階で自白し、遺体や金庫の発見現場まで警察官を案内したとされた。公判では一貫して無実を訴えたが、最高裁で有罪が確定し、再審請求中の2011年に病死した。直接の物的証拠はなく、自白の信用性などが争点で、第2次請求審では捜査段階の写真のネガなどが新たに証拠開示されていた。
 石川裁判長は、遺体遺棄の再現過程に着目。確定判決では、元受刑者が人形を抱きかかえて運ぶなどして滞りなく進んだとされていたが、ネガでは人形を使わない撮影と使った撮影が交互に繰り返されており、「相応の手間と時間がかかっていたと推認される」と指摘した。その上で「誘導の可能性を含め、捜査が任意に行われたか疑問を差し挟む余地が生じた」と判断した。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts