日本も参加の木星探査機打ち上げ成功 2031年に木星に接近

東京, 4月15日, /AJMEDIA/

ESA=ヨーロッパ宇宙機関が日本やアメリカなどと協力して「木星」の謎の解明に挑む探査機の打ち上げが日本時間の14日夜、フランス領ギアナで行われ、打ち上げは成功しました。

この計画は、太陽系最大の惑星「木星」の成り立ちなどを調べる「JUICE」と呼ばれる国際的なプロジェクトで、探査機に載せる機器の開発などで日本も参加しています。

探査機の打ち上げは天候の影響で1日延期し、日本時間の14日午後9時14分、ヨーロッパのロケット「アリアン5」でフランス領ギアナから打ち上げられました。探査機は28分後にロケットから切り離され、打ち上げは成功しました。

探査機は今後、木星を回る衛星のうち、表面が氷で覆われているエウロパ、ガニメデ、カリストの3つを観測。地球で生命が存在するために必要な「海」のような場所や有機物が衛星内部にあるかなどを調べ、木星の謎の解明に迫るのが目的です。

探査機にはJAXA=宇宙航空研究開発機構が開発に携わったレーザーで計測する高度計のほか電波やプラズマの波動を観測する機器なども搭載されています。

探査機は、2031年に木星に接近し、2034年にガニメデを周回したあと、2035年にミッションを終える計画です。
「木星の周りの氷で覆われた衛星での居住性確認するもの」
今回の探査機について、ESA=ヨーロッパ宇宙機関は14日、探査機と地上の間の通信も確立され、太陽電池パネルを広げて正常に飛行を続けていると発表しました。

ESAのアッシュバッハー長官は、記者会見で「このプロジェクトは、木星の周りにある、氷で覆われた衛星での居住性を確認するものであり、生命が存在可能な居住環境とはどのようなものかという、われわれ全人類にとっての、非常に重要な問いに対する答えを探すものだ」と述べて意義を強調しました。
木星を回る衛星「ガニメデ」とは
「ガニメデ」は、木星を回る衛星のひとつで、直径が5200キロほどある太陽系最大の衛星です。

いまから400年余り前にイタリアの科学者ガリレオ・ガリレイが天体望遠鏡を使って発見した4つの衛星のうちのひとつでイオ、エウロパ、カリストとともに「ガリレオ衛星」とも呼ばれています。

ガニメデは、エウロパ、カリストと同様、これまでの観測で天体の表面が氷に覆われていることがわかっています。

ガニメデの内部には、地球と同じように「海」のような液体で満たされた場所や、天体の中心には溶けた鉄のコアが存在するとされるほか、太陽系の衛星で唯一固有の磁場があるとされています。

しかし「海」を構成する液体の量や詳しい成分、磁場がある理由など、多くの謎が残されていて、今回の探査計画での解明が期待されています。

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