持ち家格差、人種で拡大 ローン金利上昇も助長―米

東京, 3月5日, /AJMEDIA/

【ワシントン時事】米不動産業者協会(NAR)によると、2021年の白人と黒人の持ち家比率格差が過去10年で最大となった。22年は住宅価格やローン金利が顕著に上昇。所得水準が白人より低めの黒人が住宅を手に入れるハードルは高くなったとみられ、人種間の経済格差がさらに拡大する恐れがある。
 NARが2日発表した報告書によると、21年の白人持ち家比率は72.7%。これに対し、黒人は44.0%にとどまった。黒人持ち家比率は過去10年で0.4ポイントしか上昇しておらず、4~5ポイント程度上がったアジア系やヒスパニック系に比べても遅れが目立つ。
 背景にあるのは「世帯収入の低さ」(NAR)だ。黒人の住宅ローン申請件数のうち拒否される比率は20%に上る。白人(11%)やアジア系(10%)との差は歴然としており、「持ち家比率の格差につながっている」(NAR)とみられる。
 連邦準備制度理事会(FRB)はインフレを抑え込むため、22年3月から急ピッチで利上げを重ねた。このため30年物の住宅ローン金利は3%台から一時7%超に跳ね上がった。中・低所得層にとってマイホームはますます手が届かなくなっている。
 NARの不動産調査部門ディレクター、ナディア・エバンジェロウ氏は「白人と黒人の持ち家比率格差はさらに広がる可能性がある」と懸念を示した。

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