岸田首相、金総書記との直接会談に意欲 拉致問題、問われる手腕

東京, 11月14日, /AJMEDIA/

岸田文雄首相は13日、東京都内で開かれた北朝鮮による日本人拉致問題の解決を求める「国民大集会」に出席し、金正恩総書記との直接会談に意欲を示した。ただ、拉致問題を「最重要課題」と位置付けた安倍政権でも、結果に結び付けることはできなかった。首相としてどう局面を打開できるか手腕が問われる。
 「わが国が主体的に動き、トップ同士の関係を構築することが極めて重要だ。条件を付けずに金正恩氏と直接向き合う決意だ」。首相は、拉致被害者横田めぐみさんの母早紀江さんと並び、こう訴えた。
 安倍政権下の2014年に結んだ「ストックホルム合意」で、北朝鮮は拉致被害者の再調査を約束したが、履行されなかった。米国がトランプ政権下で北朝鮮に接近した19年には、安倍晋三首相(当時)が日朝会談を目指す考えを表明したが、米朝協議の決裂で機会は閉ざされた。
 現在、北朝鮮は米国の対話呼び掛けに応じず、日朝交渉の機運は乏しい。拉致問題に携わった元政府高官は「外務省の振り付けに従っているだけでは拉致問題を打開できない」と述べ、首相の指導力が不可欠だと指摘する。
 首相は集会の席上、近く予定する訪米でバイデン大統領と会談し、「一刻の猶予もない拉致問題の解決の重要性について改めて理解を深めたい」と述べた。拉致問題の解決に向け、国際的な環境づくりをどう主導するか、首相にとって最初の見せ場となりそうだ。

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