岸田政権半年の評価問う 与野党ともに「結束」焦点―参院補選

東京, 4月8日, /AJMEDIA/

 参院石川選挙区補欠選挙が7日に告示され、24日投開票に向けた論戦が始まった。昨年10月の衆院選後初めて行われる国政選挙で、発足から半年を迎えた岸田文雄政権の中間評価が問われる。夏の参院選の前哨戦に位置付けられ、与野党それぞれ「結束」できるかも焦点だ。
 ◇自民「3分裂、修復を」
 「与党も野党もこの選挙で勝てば、その勢いで夏の参院選まで突き進むことができる。負ければ戦略の全面的な見直しを迫られる。岐路に立つ選挙だ」。自民党の茂木敏充幹事長は7日、金沢市内で行われた自民候補の出陣式で声を張り上げた。
 石川選挙区は保守地盤が強い1人区で、自民党は2007年の参院選で旧民主党候補に競り負けた後は4連勝中。今回の補選も「問題ない」(安倍派幹部)として「勝って当たり前」という楽観論が支配的だ。圧勝することで組織の結束を固め、参院選への追い風とすることを狙う。
 3月の石川県知事選は保守系三つどもえの分裂選挙となり、県連内のしこりが懸念される。党幹部は補選の意義を「三つに割れた県連を修復できるかだ」と指摘。首相は出陣式に祝電を送り「一致団結し、最後まで戦い抜くようお祈りする」と呼び掛けた。17日に選挙区入りする予定で、補選勝利を政権運営の推進力としたい考えだ。
 不安材料はウクライナ危機による物価高騰、新型コロナウイルスの感染再拡大が有権者の判断にどう影響するかだ。自民党の遠藤利明選対委員長は7日の谷垣グループ会合で「有利な戦いではあるが、選挙はいつ何があるか分からない」と引き締めた。
 ◇野党協力に不安
 立憲民主、共産両党は候補を一本化できず、夏の参院選での野党間協力に不安を残した。立民は先の知事選や金沢市長選で独自候補を立てられなかったが、今回の補選は告示約2週間前にようやく候補を決め「不戦敗」は回避できた。ただ、共産党との一本化協議を拒み、共産の不満はさらに強まりそうだ。また、立民内でも執行部の調整力への疑問の声がくすぶる。
 「戦況は容易ではない」。立民の小川淳也政調会長は7日の記者会見で、あっさり苦戦を認め、「個別補選の結果に一喜一憂しない姿勢も極めて大事だ」と早くも予防線を張った。参院選での共産との一本化については「水面下で調整が進んでいるはずだ」と述べたものの、両党間の協議が停滞しているのは明らかだ。
 共産党の志位和夫委員長は党本部で記者団に「わが党の政策を訴えて勝利を期したい」と述べ、共産支持層の拡大に全力を挙げる考えを示した。

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