地雷だらけの町に最新鋭の空港 隣国が脅威を感じる「財力の挑発」Part-1

東京, 2月12日, /AJMEDIA/

ナゴルノカラバフ紛争の影響であちこちに地雷が残って人が住めない街フュズリに、最新機能を備えた現代建築の国際空港が開港しました。 いったい誰が利用するのでしょうか。
第2次ナゴルノ・カラバフ紛争で奪還した地域の復興を急ぐアゼルバイジャンにとって、最大の障害は地雷だ。
「カラバフ経済地方解放地域大統領特別代表」 の上級補佐官を務めるアラズ・イマノフさん(39)による と、第2次ナゴルノカラバフ紛争停戦後の2年間で、 地雷の爆発事故は267件あり、40人以上が死亡し た。 地雷への懸念から奪還地域への市民の入域は基本的に禁止されているのだが、故郷を懐かしむ 元住民らの間で、検問所を迂回(うかい)して入り込む例が相次いだからだという。 2年目に入って危険 性が次第に認識されるようになり、 事故は減ったという。

ナゴルノカラバフ紛争とは->
政府は地雷の危険性を知らせる広報活動を続けており、 実際あちこちに 「地雷注意」の看板が立っている。
地雷が最も多いのは、第2次紛争前にアゼルバイジャンとアルメニア側が30年間近くにわたって相対し ていた境界線の周辺だ。 延長は約200キロ以上、幅5キロに及び、 埋まっている地雷の数は計約100万 個といわれる。 第1次紛争時、アルメニア占領時、第2次紛争のアルメニア軍撤退時と、三つの時期にわ かれて多様な種類の地雷が敷設された複雑さで、 その探知と処理は困難だ。 これまで除去が終わった のは、全体の13%にとどまるという。
地雷を爆破処理 記者がボタンを押したら

「小ヒロシマ」と呼ばれるナゴルノカラバフ東側のアグダムを訪れた後、その南方に位置するフュズリ に足を運んだ。 ここも同様に、第1次紛争以後にアルメニア側の支配下となって廃虚となり、 第2次紛争 でアゼルバイジャン側が奪還した。

約4万人の街だったアグダムに比べ、 フェズリはやや小ぶりで、かつて2万~3万人前後だったと思わ れる。 道路際から廃虚を眺めると、ローマ神殿のような凝った建物の跡が見える。 地元のメディアが集ま っていた新聞会館。 当局はこれら旧市街の廃虚をそのまま保存し、近くに新たな街を建設する方針だ。

ここでも悩みはやはり地雷。 「アゼルバイジャン国立地雷対策局」 (ANAMA) が除去に取り組む現場を訪ねた。 町外れ、起伏のある原野が地平まで続く約75万平方メートルが、現在の作業対象だ。
1 週間調査をした後、 昨年10月28日から24人のスタッフで除去を始めた。 これまで作業は順調に進んできたが、とはいえスタッフ4人がけがを負った.作業の敵は、地雷だけではない。 原野だから、ヘビや サソリもいるという。 そう聞くと、少し緊張する。

「大丈夫です。 医師と救急車が控えていますから」
ANAMA事業部長のイドリス・イスマイロフさん(36)はさらりと言う。本気とも冗談とも取れる。

この地区の除去は9割方終わり、その間に対戦車地雷2個のほか、小さなものが数多く見つかった。 そ この日の作業が終わると、回収した地雷はまとめて爆破処理する。
「今日はもう作業が終わりました。 これから爆破です。 お客様に点火していただけますと光栄です」

イスマイロフさんはそう言いながら、 黄色いスイッチを差し出した。 地雷除去の現場を見学したいと言っ また際に「実地で体験をしてもらうかも知れません」と言われていたが、 探知ではなく爆破だったのか。 「ゼ ロと言ったら、 左手のボタンを押さえたまま右を押して下さい」。 カウントダウンが始まる。 「ゼロ」の声か らやや遅れてボタンを押すと、数百メートル離れた正面の丘の上で土ぼこりが上がった。 少し間を置い て、爆音と爆風が押し寄せる。 地雷の威力を十分実感する。

除去が全て終われば、ここは農地として活用される。

続きがある

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts