創業者退任、立民岐路に 共闘路線・世代交代が焦点

東京, 11月03日, /AJMEDIA/

立憲民主党の枝野幸男代表が辞意を表明した。2017年に前身の旧立民を結党以来、自公政権との対決をけん引してきた創業者の退任は、同党が岐路に立たされたことを意味する。月内にも行われる代表選は、共産党との共闘路線や世代交代の是非が争点となりそうだ。

 「政治と選挙は結果だ」。枝野氏は2日の党執行役員会でこう述べ、衆院選敗北の責任を取る考えを明らかにした。出席者からは「4年前の衆院選で救われた仲間がたくさんいる。この恩は忘れない」とねぎらいの言葉が上がった。

 枝野氏は、17年衆院選の直前に旧民進党が分裂した際、一人で旧立民を旗揚げ。55議席を得て野党第1党となった。20年9月には旧国民民主党との合流により、衆参計150人の野党勢力を実現。国会では、森友・加計学園問題や新型コロナウイルス対応をめぐり安倍晋三首相(当時)らを厳しく追及するなど、存在感を示した。

 一方、党運営は二人三脚で歩んだ福山哲郎幹事長ら少数の幹部によるトップダウン型で、党内に不満がくすぶっていた。今回の衆院選では、支持団体の連合や一部党内の異論を押し切り、共産党との「閣外協力」で合意。候補一本化による共闘で政権選択を訴えたが、公示前の110議席を下回る96議席に沈んだ。

 今後の焦点は代表選に移る。党内では、泉健太政調会長(47)や小川淳也衆院議員(50)、岡田克也元外相(68)らの名前が取り沙汰されている。泉氏は執行役員会後、記者団に「代表の辞意を聞いたばかりなので、今は何も考えていない」と白紙を強調した。

 共産党との共闘路線に対し、党内の反発は根強い。若手は「保守票が逃げた。代表選で共闘が争点になること自体がマイナスだ」と批判。中堅も「継続なんてあり得ない。もう共闘は終わりだ」と声を荒らげた。

 だが、来年夏の参院選は32ある1人区が雌雄を決する。共闘路線を主導してきた党幹部は「共産との候補一本化は必要だ」と反論した。

 世代交代を求める声も相次ぐ。57歳の枝野氏を含め、現在の党幹部は旧民主党政権で要職を務めたベテランが中心。中堅は「われわれの世代が担わなければならない。論点はそこだ」と訴えた。

 ただ、世代間対立が激化すれば、代表選後にしこりが残る可能性もある。参院議員の一人は「寄り合い所帯のわが党は創業者の枝野氏が重しだ。党がばらばらにならないか心配だ」と懸念を示した。

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