東京, 3月8日, /AJMEDIA/
日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の友好協力関係は今年で50年の節目となる。日本スポーツ協会(JSPO)は2月にマレーシアの青年スポーツ省関係者を招き、同国が抱える課題を解決すべく講義や意見交換などを通して交流した。
子どもの体力低下はマレーシアにも共通する問題で、青年スポーツ省幹部のモハマド・アズハリ氏は「勉強と健康を両立する取り組みを考えている」と語った。塾通いやテレビゲームの影響で体を動かす機会が減り、肥満などの生活習慣病が増加。泳ぎ方を十分に学べず、毎年何百人もの子どもが水難事故で亡くなるなど切実な事情もある。
協会の研究員が紹介したのは、アクティブ・チャイルド・プログラム(ACP)という取り組み。グループになって手をつなぐ「人間知恵の輪」など、遊びの要素を取り入れることで体を動かす面白さを感じられるメニューが豊富にある。体験したマレーシアの担当者は「学びながら楽しむことができるのは本当に素晴らしい」と振り返った。日本では、岐阜県の一部の小中学校で試験的に取り入れられている。
バドミントンやサッカーが盛んなマレーシアでは、大会でボランティアを集めるのに苦労している。2021年東京五輪・パラリンピックの担当者が運営ノウハウを伝え、日本では多くが無報酬で東京五輪には90代のボランティアもいたことには驚きの声も上がった。
交流は1週間ほど。柔道場や冬季国体の視察も行われた。アズハリ氏は今後の政策づくりに生かしていく考えを示し、「多くのことを学べて感謝している。異なる省庁にも働き掛けて実施していきたい」と述べた。