チュルク系諸国が結束強化 ウイグル族に期待、中国警戒も

東京, 11月23日, /AJMEDIA/

トルコが民族上のつながりが深い中央アジアなどの各国と結束を強め、国際社会で「チュルク系諸国」として一体的な存在感の拡大を模索している。中国の新疆ウイグル自治区での迫害が指摘されるウイグル族もチュルク系で、今後の展開によっては中国が警戒を強めて緊張が高まる状況も想定される。
 イスタンブールで今月12日、トルコとアゼルバイジャン、カザフスタン、キルギス、ウズベキスタンで構成される「チュルク評議会」の首脳会議が行われ、同評議会を「機構」に格上げすることを決定した。トルコのエルドアン大統領は「国際問題の解決で主導的な役割を果たすチュルク世界(の構築)を目指す。太陽が再び東から昇り始める時期は近い」と訴えた。
 新設のチュルク諸国機構は、政治、経済など多方面での関係強化をうたう。既に「評議会」のオブザーバーとなっていたトルクメニスタンとハンガリーのほか、ウクライナなども参画を検討しているという。
 この動きに対し、カザフやキルギスに隣接する新疆ウイグル自治区出身のウイグル族からは歓迎の声が出ている。トルコに亡命したウイグル族の指導者セイット・トゥムチュルク氏は「多方面で中ロに依存する各国が個別に声を上げるのは難しいが、チュルクが結束すれば中国の対抗措置を恐れず、異を唱えることも可能になるのではないか」と期待する。
 ただ、経済圏構想「一帯一路」を掲げる中国の影響力が浸透し、チュルク系各国では対中関係を重視する意見が経済界を中心に根強い。機構を主導するトルコとしても、中国と露骨な対立は避けたいのが本音で、掛け声とは裏腹に慎重な対応を求められることになりそうだ。

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