クロマグロの資源管理強化 漁獲報告、電子化へ―水産庁

東京, 6月23日, /AJMEDIA/

 高級なすしネタや刺し身として人気が高い太平洋クロマグロ(本マグロ)について、水産庁が漁業者に求めている漁獲報告を電子化し、資源管理を強化する検討に入ったことが22日、分かった。最高級ブランドの青森県大間町産で漁獲実績の未報告が昨年判明したため。全国各地の漁獲量をほぼリアルタイムで把握できるようにし、信頼性に疑問符が付いた日本の資源管理を厳格化する。
 漁業者が漁獲してから速やかにタブレット端末やスマートフォンなどで報告できる仕組みを導入する方針。現在は漁獲の翌月10日までの報告を求めている。電子化に合わせ、漁獲報告済みのクロマグロにタグを付けて管理する手法も導入し、不正流通を防止したい考えだ。
 太平洋クロマグロは、過去の乱獲が響き、親魚が減少。資源量を回復させるため、中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)が漁獲量を制限している。
 日本はこの国際ルールに基づき、小型魚(30キロ未満)と大型魚(30キロ以上)に分けて漁獲枠を設け、都道府県や漁法別に漁獲可能量を配分。漁獲量の正確な報告を求めている。しかし、昨年11月に大間産の大型魚で不正行為が発覚。昨年度の漁獲量のうち、少なくとも14トンが未報告のまま県外へ出荷されていた。
 このため、水産庁はまず、大型魚を取る漁業者を対象に新たな漁獲報告ルールの適用を目指す。
 漁獲制限の効果で資源量は回復傾向にあり、日本は2024年に開かれるWCPFCで漁獲枠拡大を提案する方針だ。「24年までに管理体制を強化しなければ増枠は不可能」(政府関係者)とみて漁獲管理強化を急ぐ。

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