おせち商戦、変わり種アピール 食材高騰で1割値上げ―百貨店

東京, 9月16日, /AJMEDIA/

 大手百貨店の「おせち」商戦が今月下旬に本格化する。各社とも、コロナ下で迎える3度目の新年は親戚や仲間が集まる機会が増えるとにらみ、すごろく付きなど大勢で楽しめる商品をそろえた。原材料価格の高騰で例年に比べて1割前後値上げしており、食卓を豪華に飾って正月を満喫したい顧客層に、ひとひねり加えた変わり種のおせちをアピールする。
 高島屋の「鉄道で日本を旅するおせち二段重」(2万9160円)はすごろくのボードゲーム付きで、担当者は「家族3世代で遊べる」とPRする。30品の中から好みに応じて12品を自由に選べる「よりどり彩りおせち」(1万2000~2万8800円)も目玉の一つだ。
 ステーキや牛肉煮込みを詰め込んだ大丸松坂屋百貨店の「近江牛づくし一段」(3万2400円)は、ひもを引くと温めることができる重箱を採用した。見た目も鮮やかな「スイーツ玉手箱二段」(1万1880円)は大勢の集まりで受けそうだ。
 ペットにも家族の一員として一緒に正月気分を味わってほしいと、そごう・西武は犬用おせちを前年の1種類から3種類に増やした。「愛犬のための豪華三段重」(2万2810円)は、ローストビーフやだて巻きなどボリューム満点。担当者は「コロナ禍でペットを飼う家庭が増えた」と販売に自信を示す。
 この1年間で、イクラなどの海産物や容器、輸送費などあらゆるコストが上昇した。松屋銀座も多くの商品を1割程度値上げするが、オリジナルの「和洋三段重」(2万1600円)など5商品は価格を据え置く。広報担当者は「少しでも買い控えを減らしたい」と話している。

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