「戦争犯罪」抗議の記事 プーチン氏愛読紙、すぐ削除

東京, 2月13日, /AJMEDIA/

 ロシアのプーチン大統領の愛読紙と言われる大衆紙コムソモリスカヤ・プラウダ(KP、電子版)に11日夜、ウクライナに侵攻したロシアの「戦争犯罪」を非難する記事などが掲載され、少なくとも10本が約10分後に削除された。独立系メディアは、編集部に無断で載せたというKP記者を特定。「罪の償い」を意図した親政権メディア内部の抗議行動だと伝えた。
 ロシアでは昨年3月、政府系テレビの元職員マリーナ・オフシャンニコワさんが生放送中に「戦争反対」の紙を掲げて抗議。最近になり、当局の捜査後に亡命したことが明らかになった。
 KP記者はウラジーミル・ロマネンコ氏(24)。独立系メディアに語ったところでは、戦争に反対する一方で昨年9月、給与を得るために不本意ながらもKPに就職。今回の行動は、昨年2月下旬の侵攻開始から1年に合わせたもので、掲載した記事はウクライナ政府の発表や欧米メディアの報道を基に「自分で書いた」という。
 失業も覚悟の上で行動に移したというロマネンコ氏は「(政権におもねってうそをついた)罪の償い」だと吐露。ウクライナ人に謝罪したいと述べた上で「プロパガンダ機関の中に抵抗者がいる。親政権メディアの他の記者が私の行動に気づいてくれることを願う」と表明した。
 記事では「ロシアが一方的に併合したクリミア半島はウクライナ領」「ロシアは首都キーウ近郊ブチャで戦争犯罪に手を染めた」と主張。獄中の反体制派指導者ナワリヌイ氏への「拷問」も告発しており、ナワリヌイ氏陣営は「支持者がプーチン氏の愛読紙を攻撃した」と歓迎した。

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