「年金全額税方式」争点に 河野氏提唱、3氏は疑問―自民総裁選

東京, 9月23日, /AJMEDIA/

自民党総裁選では、河野太郎規制改革担当相が基礎年金の財源を全額消費税とする「最低保障年金」を掲げたことで、年金改革が争点に浮上した。河野氏の主張を実現するには大幅な増税が必要とみられるが、財源に関して具体的な説明はなく、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行の3候補は懐疑的な姿勢を示している。

 現在の公的年金制度は基礎年金(国民年金)と厚生年金の2階建て。基礎年金の財源は保険料と税金で半分ずつ賄っている。
 現行制度では低所得を理由とした保険料の納付免除者らが将来受け取る年金は少なくなる。このため河野氏は「年金制度が盤石でも、生活できない年金額なら意味がない」と述べ、低所得者でも満額受給できる最低保障年金の導入を提唱。ただ、必要となる財源の規模や消費税の増税幅は示していない。

 最低保障年金は、旧民主党政権がマニフェスト(政権公約)に盛り込んだが、財源のめどが立たず実現できなかった経緯がある。3候補は「かなりの増税になる」(高市氏)などと、実現性に疑問を呈している。

 年金制度をめぐっては厚生労働省が、パートなど短時間労働者への厚生年金の適用拡大を段階的に進めている。厚生年金に加入すれば受給額は増えるため、岸田氏は「厚生年金を広げて多くの人を取り込む」と述べ、こうした取り組みを続ける姿勢を示した。

 子育て支援では、野田氏が子育て政策の司令塔「こども庁」の設置法案を来年の通常国会に提出すると明言。「国が子どもに先行投資して少子高齢化を乗り越えていく」と述べ、「こども国債」を新設し、調達した資金を教育費の負担軽減などに充てる考えを示した。
 河野、岸田両氏も同庁創設の方向性を支持。高市氏は必要性は認めるが、法案提出は時期尚早との立場だ。

 このほか、高市氏はベビーシッターなどの国家資格をつくり、利用料の一部を税額控除する仕組みを提案。河野氏は、多子世帯への支援の充実を主張。岸田氏は、保育士の給料引き上げなどを訴えている。

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