東京, 10月6日, /AJMEDIA/
9月20日に発売となったアップル・iPhone16シリーズ。
アップルストア、キャリアショップ、家電量販店など様々な販路で購入が可能だが、最近、一部の「iPhone通」で話題となっている購入方法が「カナダから個人輸入」というルートだ。
iPhone 16 256GBモデルをカナダのアップルオンラインストアに発注し、日本への到着を心待ちにしているAさんは「iPhoneは仕事で写真を撮るのに欠かせないツール。シャッター音がしないカナダのiPhoneが欲しかった」と語っていた。
実はiPhoneで撮影する際に強制的に出る「カシャッ」というシャッター音、実は日本特有の機能といわれており、海外で売られているiPhoneでは音が出ないようになっているのだ。
もちろん、iPhoneに限った話ではなく、サムスン・Galaxyやソニー・Xperia、シャープ・AQUOS、Google・PixelといったAndroidスマートフォンで日本で売られているものは撮影時にシャッター音が鳴る。
ただ、iPhoneなどは日本で購入したモデルの場合、日本に居るときはシャッター音がするのだが、海外渡航時にはシャッター音がしないように自動的に切り替わる。どうやら位置情報もしくは接続するキャリアを見て、どこに居るかを判断し、シャッター音の有無を調整しているようだ。
日本だけシャッター音が鳴る理由
では、なぜ日本のスマートフォンはシャッター音がしてしまうのか。
日本でケータイにカメラが搭載され「写メール」として一気に普及したころ、当然のことながら「盗撮への懸念」が問題視された。その際、メーカーやキャリアとしては「シャッター音を強制的に鳴らす」という仕組みを導入することで、そうした非難の声を交わそうとしたのだろう。
数年前にスマートフォン事業に参入したメーカーの幹部は「特に法律があるわけでもなく、業界団体のルールがあるわけでもない。業界内の自主規制なもので、各メーカーは事なかれ主義で、シャッター音を鳴らしているようだ」と語っていた。
ただ、20年前からこの業界を知る関係者は「シャッター音が鳴る理由には諸説ある。かつて当局から『要請』があり、メーカーとキャリアはすんなりと受け入れた。強制力はないはずだが、キャリアからメーカーに対する仕様書には『シャッター音を鳴らす』という項目が記載され、それが常識になってしまった」というのだ。
結果、アップルやグーグルなどの海外プラットフォーマーもこぞって遵守するようになったようだ。
Androidでは変化も
ただ、日本のスマートフォン市場に参入したメーカーの中には、シャッター音が鳴らないスマートフォンも存在した。
また、最近ではソニー・Xperiaは、SIMフリー版においてはシャッター音がしないようにもできる仕様となっている。