CO2を高栄養価タンパク原料へ–シリコンバレーの注目スタートアップが狙う日本ペットフード市場

東京, 7月05日 /AJMEDIA/

 地球上の二酸化炭素や水素を様々な技術手法を用いて、地球環境にやさしいとされる方法で代替素材に有効再利用(アップサイクル)する取り組みは、日本を含めて世界中で展開されている。

 そのうち、「大量のCO2を回収→代替タンパク原料を開発」するスタートアップが注目されはじめてから5~6年が経つが、今回はそのうちの1社をご紹介したい。米シリコンバレーに本社を構え、世界的なDeep Tech投資ファンドであるSOSVやアジアのHappiness Capitalといった大手VCファンドをはじめ、豪州最大手のエネルギー企業Woodside Energyからの戦略的出資を含むアジアの大手企業などから出資を受けている、NovoNutrientsだ。

CO2から代替タンパク原料を生み出す「Carbon Capture」の潮流
 NovoNutrientsは、2017年に米カリフォルニア州サニーベール市で創業されたスタートアップだ。主な競合とみなされる世界的なスタートアップには、同じアメリカのAir ProteinやCalystaをはじめ、英国のDeep Branch、北欧フィンランドのSolar Foodsがある。特にSolar Foodsは2023年6月に日本の味の素と戦略的提携を締結していることもあり、日本国内では知名度が高いかもしれない。

 NovoNutrientsの技術面での大きな特徴は、大型工場などから大量に排出されている二酸化炭素を活用し、水素と自然由来の微生物をうまく利用したガス発酵プロセス技術を持つ点だ。これを通じて、魚類の飼料から高栄養価ペットフード、そして人間が食卓で食べる肉類といったタンパク食品原料に至るまで、幅広い高栄養価のタンパク原料を生み出すことを可能とする。

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