東京, 3月18日, /AJMEDIA/
奈良県明日香村にある飛鳥時代の都の跡から、7世紀後半では最大級の建物跡が新たに見つかりました。これまでに隣接した場所でもほぼ同じ規模の建物跡が見つかっていて、専門家は天皇に関わる建物群があったのではないかと注目しています。
この建物の跡は、「飛鳥宮跡」のうち天皇が生活や政務を行った「内郭」と呼ばれる区域の北側で見つかりました。
1辺が1.7メートルほどの四角い柱の穴があわせて35基、碁盤の目のように並んでいることなどから、建物は東西35メートル、南北12メートル以上あったとみられます。
奈良県立橿原考古学研究所によりますと、天武・持統天皇の宮殿があった7世紀後半では最大級だとしています。
この建物跡の北側と南側ではこれまでに幅などが同じ規模の建物跡が見つかっていることから、研究所では当時、この一帯に3棟の大型の建物が計画的に配置されていたのではないかとみています。
計画的に配置された大型の建物は奈良時代後半の「平城宮跡」の天皇の住まいでも確認されているということで、専門家はこの一帯に天皇や天皇に極めて近い人物の建物群があったのではないかとみています。
東京学芸大学の木下正史名誉教授は「想像もしていなかった非常に興味深い成果で、今後の飛鳥宮の研究に大きな影響を及ぼすことは間違いない」と話しています。