参院本会議 代表質問 中小企業の賃上げや少子化対策めぐり論戦

東京, 10月27日, /AJMEDIA/

国会では参議院本会議で2日目の代表質問が行われ、中小企業の賃上げや少子化対策などをめぐって論戦が交わされました。また山田文部科学政務官が女性との不適切な関係を報じられ辞任したことについて岸田総理大臣は「任命責任を重く受け止めている」と述べ信頼回復に努める考えを示しました。

公明党の山口代表は医療機関に支払われる診療報酬と介護事業者への介護報酬の同時改定について「高齢化の進展で医療と介護、双方のサービスが必要な高齢者の増加が見込まれる。ニーズに対応できる体制を構築するため年末に控えた改定は極めて重要だ」と指摘しました。

これに対し岸田総理大臣は「今回の経済対策における物価高騰や賃金上昇への対応を踏まえつつ人材確保の必要性、患者や利用者の負担、それに保険料負担への影響も踏まえ、必要なサービスを受けられるよう対応していく」と述べました。

日本維新の会の浅田参議院会長は中小企業の賃上げについて「まだまだ隅々まで波及しているとは言えない。岸田総理大臣は『持続的な賃上げが可能となるよう、転嫁対策を強力に進める』と表明したがどう講じるのか。具体策なしに唱えてもから念仏だ」とただしました。

これに対し岸田総理大臣は「具体的な価格転嫁対策として発注企業の価格交渉や価格転嫁の状況を公表するほか『下請けGメン』による調査などを着実に進める。賃上げ費用を適切に転嫁するため価格交渉に関する指針を年内に策定し、中小企業の賃上げを後押ししていく」と述べました。

国民民主党の大塚代表代行は少子化対策をめぐり「必要なのは子どもを産み育てやすい社会だ。子育て支援や教育に関する施策の所得制限の撤廃や所得税などの『年少扶養控除』の復活をどう考えるか」と質問しました。

これに対し岸田総理大臣は「各制度で所得制限を設けるかは、個々の制度の目的や支援方法などに応じて判断されるものだ。政府として歳出面での取り組みにより前例のない規模でこども・子育て政策の強化を図っており、かつて廃止された『年少扶養控除』の復活は検討課題としていない」と述べました。

共産党の小池書記局長は再来年の大阪・関西万博について「岸田総理大臣は『オールジャパンで進める』と述べているが、工事は遅れ会場の建設費用は当初の見積もりの2倍近くに膨らんでいる。理解は得られるのか」とただしました。

これに対し岸田総理大臣は「会場建設費の増額は、必要額が適切なものとなっているか精査を行っており国民の理解が得られるよう政府を挙げて取り組んでいく。建設工事の時間外労働の上限規制を適用外にするといった要請を受けて政府として検討している事実はない」と述べました。

立憲民主党の古賀之士氏は山田文部科学政務官が女性との不適切な関係を報じられ辞任したことについて「岸田総理大臣はきのう副大臣や政務官の人事を『本人の人格、識見を踏まえ、適材適所の考え方で行っている』と答弁した。『適材適所』と評したばかりの政務官の1人が早々に辞任し任命責任は重い」と追及しました。

これに対し岸田総理大臣は「誠に遺憾で任命責任を重く受け止めている。私自身が先頭に立ち内閣として緊張感をもって先送りできない課題に全力で取り組み、国民の信頼回復に努めていく」と述べました。

自民党の牧野幹事長代理は静岡県が県内での着工を認めていないJR東海の「リニア中央新幹線」について「静岡県とJR東海の主張がかみ合わず、いまだ工事着工の見通しがたたない。建設工事が進むよう課題の解決に国として大きく動き出す時だ」と求めました。

これに対し岸田総理大臣は「日本経済をけん引する国家プロジェクトだ。名古屋・大阪間の環境アセスメントの年内の着手を目指すなど早期の整備に向けた環境を整え一日も早い開業に向けて関係自治体やJR東海と連携し丁寧に取り組んでいく」と述べました。

このほか岸田総理大臣はNTT法の見直しについて「現在、総務省の審議会などで議論が行われているが、中でも安全保障の確保は重要な論点の1つだ。こうした観点も踏まえながら検討を進めていくべきだ」と述べました。

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