濱口監督が公式会見 「悪は存在しない」出品―ベネチア映画祭

東京, 9月5日, /AJMEDIA/

【ベネチア時事】イタリアで開催中の第80回ベネチア国際映画祭で、コンペティション部門に出品された「悪は存在しない」の濱口竜介監督が4日、共同企画者で音楽を担当した石橋英子さんらと公式会見に臨んだ。
濱口監督作品コンペ出品 「悪は存在しない」、ベネチア映画祭

 濱口監督は作品の成り立ちについて「石橋さんの音楽に調和、対応するものとして考えた時、自然が一番の題材だと思った」と語った。石橋さんの音楽の繊細さを、自然のうごめきの中で表現しようと考えたという。
 「悪は存在しない」は、東京から開発計画が持ち込まれた自然豊かな村に広がる波紋を、ある父と娘を軸に描いた。「(企画段階で)取材を始めたところ、映画に描かれているのと同じような出来事があった」といい、その要素を物語に取り入れたという。「自然の中に人間が入ると、絶対環境問題が生じる。人間を必ず自然を破壊する存在として描く必要があると思った」とも話した。
 石橋さんは、濱口監督が米アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した前作「ドライブ・マイ・カー」でも音楽を担当。石橋さんから2年前にライブ用の映像制作の依頼を受け、今作はその企画が発展して生まれた。

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