地方首長は「軍事会社」創設可 ワグネルの空白埋める―ロシア法案

東京, 7月27日, /AJMEDIA/

ロシア下院は25日、地方首長による「軍事会社」創設を認める法案を可決した。法案は「動員および戒厳令の期間中や戦時中」の措置として、正規部隊を補完するために民兵組織を設けることを容認。背景には、ウクライナ軍の反転攻勢が続く中、国内の治安維持が手薄になっている事情もありそうだ。
反乱直面し命令下せず プーチン氏「まひ状態」―米報道

 プーチン政権は、これまで侵攻に民間軍事会社ワグネルを活用してきたが、創設者プリゴジン氏が6月下旬に武装反乱を起こし、多くの戦闘員と共にベラルーシへ拠点を移した。その結果、準軍事組織に一定の空白が生じ、それを埋める役割を地方首長に求めている可能性がある。
 ただ、本来なら国が武力を一元管理すべきところ、非合法な存在である民間軍事会社に勢力を拡大させ、ワグネルの反乱を招いたという反省もある。法案は地方首長の軍事会社創設を「大統領の決定」で認めると規定しており、あくまで政権の管理下に置く方針とみられる。
 地方レベルでは既に、南部チェチェン共和国の独裁者カディロフ首長が事実上の「私兵部隊」を保有。形式上、中央の国家親衛隊(旧内務省軍)などの傘下に組み込まれているが、ウクライナや国境地帯への派遣を含め、運用はカディロフ氏の一存で決まるといわれる。
 プーチン大統領は今月、「ワグネルは現に存在するが、(法的に)存在しないことになっている」と発言。これを踏まえペスコフ大統領報道官は、民間軍事会社の将来的な「合法化」に含みを残したが、マトビエンコ上院議長は25日、不要という考えを示している。

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