GDP比2%「下限」に 首脳会議で国防費増額協議へ―NATO

東京, 7月08日, /AJMEDIA/

【ブリュッセル時事】北大西洋条約機構(NATO)は加盟国の年間国防支出について、「国内総生産(GDP)比2%」の基準を上限ではなく「下限」と位置付ける方向で検討中だ。ロシアの脅威が高まる中、ストルテンベルグ事務総長が下限とするよう主張。リトアニアで11、12両日に開かれるNATO首脳会議でも、国防費増額が議論される見通しだ。
GDP比2%は「来年達成」 ウクライナ侵攻で政策転換―ドイツ首相

 ロシアによるウクライナ侵攻を受け、NATO各国は国防費増を表明。6月にはGDP比1%台のドイツも、複数年平均で同2%を国防費に充当する方針を国家安全保障戦略に明記した。
 NATOの発表によると、加盟国全体の国防支出は2022年に推計で1兆ドル(約144兆円)を超えた。23年には、加盟31カ国のうち米英とバルト3国、ギリシャ、ポーランドなど11カ国がGDP比2%を達成する見込みだが、それでも全体の半数以下にとどまる。
 バイデン米大統領は6月、ワシントンで会談したストルテンベルグ氏に、首脳会議で「2%を引き上げ目標ではなく下限とする」ことに取り組むと強調した。背景には、加盟国の国防支出全体の7割を米国が占める現状への不満がある。
 NATOのバウアー軍事委員長も今月3日、ブリュッセルで記者団に、宇宙やサイバー対策に資金を投じる必要があると訴えた。ロシアの侵攻を経て「防空への投資も一層増えるだろう」とも指摘。「2%は、われわれが目指していた『上限』ではなくなった」と強調した。

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